人との接触を受け入れられなかった私
現在、4歳と2歳の姉妹を育児中です。長女を出産したのは2020年の8月で、新型コロナウイルスが流行したときでした。私は新型コロナウイルスを怖れるあまり、他人との接触を拒むようになってしまいました。
産後1年くらいは支援センターなどにも行かず、夫と身内くらいしか交流を持たない日々。スーパーに行くのも怖くて、宅配を頼んでいたくらいです。
外に出るのは健診と予防接種くらいで、娘が1歳になるまでは1週間に1回ほどしか外出していなかったと思います。
予防接種の帰りに声をかけられ…
長女が生後3カ月のときに、予防接種がありました。抱っこひもで抱えて歩いて行った帰り、アパートの上の部屋に住む70代くらいの女性に声をかけられました。
女性はゴミ出しに行く途中のようで「かわいいね」と言ってくれたので、「ありがとうございます」と答えて部屋に戻ろうとした私。しかしそのとき、女性が長女に触ろうとしたのです!
生ゴミやティッシュが入ったゴミ袋を持った手で赤ちゃんに触られるのが嫌で、私はとっさに「ごめんなさい、今病院に行ったばかりで」と、逃げるように部屋に駆け込んでしまいました。
それ以降も、私はあまり部屋の外には出ずに過ごし、その女性とは、わが家が退去するときまで2年近く顔を合わせることはありませんでした。
その間に私は次女を出産しており、次女を抱っこし退去のあいさつに行くと、女性は「子どもの声が聞けなくて寂しくなるね。元気で頑張ってね」とやさしい言葉をかけてくれ、私は、あの日なんて申し訳ないことをしてしまったのだろうと後悔しました。
今思うと、私は新型コロナウイルスを恐れるあまり、衛生観念に敏感になりすぎていたのかもしれません。上の女性には申し訳ないことをしてしまったと思いますが、最後のあいさつのときに次女に触れてもらえてよかったなと思いました。
著者:堀川京香/30代女性。2020年生まれ、2022年生まれの女の子を育児中の2歳差姉妹ママ。生理不順を機に前職を退職。自身の経験を元に妊活・出産・育児について執筆中。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)