「どうしても」と頼まれ、お手伝いが決定
ある日、知り合いから「1週間くらい仕事を手伝ってくれる人を探している」と相談がありました。最初は勤務時間が合わずにお断りしたのですが、知人はかなり困っている様子。
私なりに力になれればと、何人かのママ友にも声をかけてみたのですが、急なこともあって引き受けてくれそうな人は見つかりませんでした。その状況を伝えると、どうしても手が足りないから「可能な時間だけでいいので手伝ってほしい」と重ねて依頼が。
そこで、「子どもが帰ってくるまでの時間」という条件で、お手伝いすることが決まったのです。
久々の仕事!指導役はお局さんタイプで…
出産以来、仕事を離れていたため、当日は緊張して現場に向きました。責任者の方にごあいさつして一通り説明を受けたあと、「わからないことがあればAさんに聞いてね」と一人の女性を紹介されました。
作業を進めていくうちに、次第にAさんの人柄が見えてきました。物事をズバッと言う、いわゆる“お局さん”タイプ。正直、私の苦手なタイプでした。しかし、責任者をはじめ他の方々はとてもやさしく、当初はそれほど気になるほどではありませんでした。
ところが最終日、そのAさんからショックな言葉を投げかけられることになります。
二人きりの道中、不意に言われた悲しいひと言
最終日のこと。責任者の方から「ゴミをまとめて、Aさんと一緒にゴミ出しに行ってほしい」と頼まれました。Aさんに手順を聞きながら片付けを済ませ、二人でゴミ捨て場に向かっていたときです。Aさんが笑いながら、こう言いました。
「いつも14時までだよね? それじゃ、仕事にならないよね」
私は「すみません、そうですよね」と、とっさに笑って話を合わせましたが、心の中ではひどく悲しい気持ちに。同時に「他の方も、内心はAさんと同じように思っているのかな……」と悪いほうへ考えてしまい、子育てをしながら働くことの肩身の狭さをまざまざと思い知らされたような気がしました。
すっかり落ち込んでしまいましたが、帰る際に責任者の方が、「本当に助かりました! また今度もお願いしたいくらいです」と声をかけてくれ、その言葉で、沈んでいた気持ちが一気に晴れました。「手伝ってよかった」と、心から報われた瞬間でした。
後になって思えば、きっとAさんは私がお手伝いに至った経緯を知らずに発言したのでしょう。そう考え直すと、いろいろと教えていただいたことには感謝したいと思えるようになりました。
今後、子どもの手が離れたら本格的に仕事を始めるつもりです。今回の経験を通して、育児をしながら働く大変さを身をもって体感しました。今は周囲に融通を利かせてもらっている立場ですが、いつか自分が逆の立場になったときには、「お互いさま」の気持ちを持って温かく対応していきたいと思っています。
著者:山野まい/30代女性・主婦。2016年と2018年生まれの女の子のママ。子どもの成長は早いなと思いながら、バタバタと生活している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
※AI生成画像を使用しています