9月に入り、秋もすぐそこ。夏に活動期を迎える虫たちがひっそりと静まり返る……はずもなく、9月も注意が必要な虫がいました。その名も「ダニ」。
そこで今回はあの「ダニアース」や「アースノーマット」など虫ケア用品を製造販売しているアース製薬のスペシャリスト渡辺優一さんに、秋に気を付けるべき虫「ダニ」を家から減らす方法について聞いてきました!
「ダニ」のいない家はありません!
9月以降に注意したほうがいい虫は、どんな虫ですか?
「前回お話しさせていただいたように、9月末ごろまでは蚊に要注意ですが、ダニとハチにも要注意です。今回はダニについて説明させていただきます。
ダニにもいくつか種類がいますが、秋口に増殖するダニは「コナダニ」と「ツメダニ」です。コナダニは人を刺しませんが、大発生するとコナダニを捕食するツメダニが増殖します。屋内では比較的少なく吸血はしませんが、人を刺すことがあるため、刺されると赤く腫れてかゆみが起こることがあるので注意が必要です」
新築2~3年の家屋や新しい畳で大量発生することがあるそうです。畳のある部屋で子どもと過ごしている方は、ダニ対策も気を付けたほうがいいかもしれませんね。
アトピー性皮膚炎や喘息の人の約8割がダニアレルギー!
「どんな家にもダニは必ずいます。新築の家にだって生息しているんです。ダニは気温が20度~30度、湿度60%~80%の高温多湿を好むため、5月から9月にかけて特に繁殖します。人間のフケやアカ、ホコリなどのハウスダスト1gに約300匹のダニが含まれているんですよ」
築2年未満のごく一般的な家庭の畳部屋のハウスダスト1g中にいるダニ数の推移
「また、ダニはアレルギーの原因になると言われています。アトピー性皮膚炎やアレルギー性喘息などの症状がある方の約8割が、ダニアレルゲンに対しても陽性です。小さいお子さんがいるご家庭では特に気を付けましょう」
渡辺さんのおすすめは、ダニが爆発的に増加する7月より前に家中のダニを駆除しておくこと。増殖前に除去しておくことで、ダニの増加を未然に防ぐことができるそうです。9月もまだ高温多湿の日が続いているため、ダニも快適な時季。しっかり駆除しておいたほうがよさそう。
ダニは死なない! 布団を天日干ししても効果薄だった…!
ダニ対策として、天気がいい日は布団を天日干ししています。これって有効?
「天日干しするだけでは、思ったほどダニは減りません。ダニを死滅させるには50度の熱を30分間当てることが有効ですが、生きているダニは温度の低い布団の奥のほうへ潜りこんでしまうだけ。掃除機で吸ってもしっかり布団にしがみついているため、掃除機で吸い取ることが難しいんです。
布団叩きで叩くのはおすすめできません。ただでさえ小さいダニの死骸やフンがさらに細かくなってしまいます。布団の表面に浮き上がったダニの死骸やフンを吸い込むことで、アレルギーを引き起こすおそれもあります」
お布団バンバン叩いていました……今日からやめたいと思います。ダニを除去にするには、洗える布製品は洗うこと、布団や布製ソファなどの洗えない大きな布製品は、ダニ駆除剤を使用して天日干しし、その後掃除機などで吸い取るといいそうですよ。
(左)ダニアース (右)ダニアーススプレー
家の中のダニを減らすには、結局どうしたらいい?
それでは、ダニを減らすにはこうしましょう! まとめてご紹介します。
布団はダニ駆除スプレーを併用する
生きたダニは掃除機で吸いきれないので、ダニ駆除スプレーなど使用するのが先決。その後布団を30分以上天日干しし、掃除機や布団クリーナーで死骸やフンを吸い取りましょう。
こまめに掃除する!
ダニのエサとなるフケやホコリなどがない環境をつくるのが大事。畳にはフローリングの100倍、カーペットはフローリングの約10,000倍のダニがいることもあるんですって! 畳の部屋を子ども部屋として使用しているご家庭も多いので、しっかりと掃除しておきましょう。
定期的に換気をする
ダニは乾燥が苦手です。換気をして湿度を下げることで、ダニの繁殖を抑制することができます。部屋を換気するだけでも、湿度を下げることができますよ。
くん煙・くん蒸剤を使用する
部屋中のダニを丸ごと駆除したい場合は、煙・霧状の薬剤が部屋の隅々まで届いて駆除するくん煙・くん蒸剤が有効です。ダニの死骸やフンもアレルゲンになるため、ダニを駆除したあとの掃除も大事です。
渡辺さん、ありがとうございました! カーペットやぬいぐるみ、布団などの布製品や畳など、子どもの生活と密接にかかわりのあるアイテムこそ、ダニのすみか。ダニやアレルギーから子どもを守るためにも、日ごろの掃除や家事の際に“ダニ対策”を意識するといいかもしれませんね。
取材協力/アース製薬 渡辺優一氏
参考/アース製薬 害虫と虫ケア用品の基礎知識