会社でまとめて注文することに
ある日、うれしそうに事務所へやって来た課長が、「京都の有名な濁り酒をケース買いするんだけど、誰か欲しい人いる? 少し高いけど、すごくおいしいお酒だよ!」と呼びかけました。お酒好きの先輩方はもちろん、普段あまり飲まない方まで興味津々。あっという間に2ケース(12本くらい)の注文が集まりました。日本酒、特に濁り酒にはあまり興味のなかった私は、「高いなぁ」とも思い、その輪には加わりませんでした。
数カ月後の12月ごろ、事務所に大きな木箱が届きました。注文した皆さんは、うれしそうに自分の分を受け取っていきます。その中に、たまたま受け取りに来られなかった方が1人いて、木箱の中にぽつんと一升瓶が一本残されていました。「Aさんの机のところに置いておいたらわかるかな?」ということで、その日は事務所のフロアに置かれたままになりました。
そして事件は起こった…
翌日、Aさんが出社。「あ、届いたんですね」とうれしそうにしながらも、「今日は持って帰れないから、明日かな」と少し残念そう。「このまま、ここに置いておいても良いですか?」と尋ねられ、引き続きフロアに置かれることになりました。
そして、次の日。「今日こそ、持って帰りますね」とAさん。夕方、間もなく定時というときでした。Aさんが一升瓶を少し動かした、まさにその瞬間……! 「パンッ!!」と、ものすごい破裂音とともに、天井付近まで濁り酒が噴き出したのです。
「キャーッ!」という悲鳴とともに、なんとも言えないお酒のにおいが瞬く間にフロア全体に充満しました。お酒に弱い人は気分が悪くなりそうなほどの強烈な香り。迷惑そうな顔をする人、そして「もったいない……」とつぶやく人。事務所は騒然となりました。
オフィスに残り続ける独特の香り
この香りは、なんと年を越えても残っていたように思います。ほぼ1カ月間、事務所は独特の甘いにおいに包まれていたのです。
発案者の課長いわく、「暖房のせいで、発酵が進んでたんだろう」。そもそも甘い香りのするお酒だそうですが、必要以上に発酵してガスが発生してしまった結果、噴き出してしまったとのこと。さらに、においも強烈になってしまったようです。「清酒だったら、あんなに発酵はしないんだけどね」と苦笑していました。
まとめ
この1件以来、私は濁り酒の取り扱いには、かなりの注意を払うようになりました。結婚した夫も日本酒が好きで、濁り酒を買ってくることがあるのですが、必ずすぐに冷蔵庫に入れるようにしています。あのときの、爆発とにおいの衝撃は、今でも忘れられません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:広田紗枝/50代女性・主婦
イラスト/きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
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