義実家にとっても待望の孫。今後のことも考えて、私は何度も夫に「義実家に子どもを連れて行こう」と提案しましたが、夫は「出産祝いも何も送ってこないうちの両親のために、わざわざ子どもを連れていく必要はない」との一点張り。
義両親との関係が悪化することへの不安を打ち明けると、ようやく重い腰をあげてくれた夫。一人で赤ちゃんを連れて義実家へ帰るというのです。
夫の提案もあり、当日は自由に過ごすことにした私。そろそろ出かけようというときに、メッセージは届いたのでした……。
義母からの怒りの電話
「もう我慢の限界よ!」「私たちを雑に扱うのもいい加減にして!」といきなり怒鳴りつけてきたのは義母。
突然の怒声に驚いて、うまく返事ができなかった私。しかし、義母はものすごい剣幕でさらに私を怒鳴りつけてきました。
「いつになったら孫を見せに来るのよ!?」
「出産祝いをもらっておいて非常識な嫁ね!」
「夫が娘を連れてお義母さんのところへ行ったはずですが?それと出産祝いのことは知りません」
「え?」
ようやく私の話を聞いてくれるまでに落ち着いた義母。詳しく事情を聞くと、義両親は妊娠中から私たちに毎月5万円を贈っていたそう。それとは別に出産祝いもくれたのだそうです。私には受け取った記憶はないのですが……。
「本当はすぐに赤ちゃんにも会いたかったのに……息子からは面会禁止って言われて……」と嘆く義母。
私は、3時間前に夫が子どもを連れて義実家へ向かったことを話しました。「来るなんて連絡、受けてないわよ!」と驚いた義母。
「どうやら、私たちは息子に仲違いさせられているようね……」と言う義母に、私も同意しました。そして、これからは夫を通さず、直接連絡を取り合うことを約束したのでした。
夫が子どもを連れて向かった先
義母とのやり取りを終えてすぐに、私は夫の部屋を確認しました。すると、出るわ出るわ、浮気の証拠が。言い逃れできなさそうなホテルの領収書やデートの写真などを確保し、私は夫に電話を掛けました。
「ねぇ、今どこにいるの?」と言うと、「実家に決まってるだろ!両親は初めての孫に大喜びだよ!」と夫。そこで、私は「そんなに喜んでくれるなら、私も今からあなたのご実家に行こうかな?」「私が気付かないうちに何か失礼なことしちゃって、お祝いをくれなかったのかもしれないし」と言ってみました。
「い、いやいや!そんなのだめだよ!」「まだ本調子じゃないんだから、ゆっくりしてなって!」と急に慌て出す夫。「え、でもご両親に妊娠中のお金とか、出産祝いのお礼とか直接言いたいし……」とあえて言うと、「えっ!?なんでそれ知ってんの!?」と失言していました。
「ねぇ、あなた本当にご実家にいるんだよね?」「とりあえず子どもをかわいがってくれているみたいだから、お義母さんかお義父さんにかわってくれない?」
夫は「か、母さんは買い物に行くって……」「父さんは友だちと、将棋を打ちに出かけて……」としどろもどろ。「ふーん、孫に大喜びしてたんじゃなかったっけ?それなのに2人とも出かけちゃったんだ?」と言うと、今度は逆ギレしてきました。
「お前さっきから様子が変だぞ?」「嫁に嘘ついて、しかも赤ちゃん連れでどこに行くって言うんだよ!」
「浮気相手の家とか?」と言ってみると、夫は「えっ!?」と間抜けな声を上げていました。どうやら図星のようです。
夫に証拠を突きつけると…
「ホテルの領収書に、デートの写真……すぐにこれだけの証拠が集められたんだけど、もう隠す気もなかったんじゃない?」「で、この女性はどなた?ずいぶんと仲良さそうだけど」と言うと、夫は「これは……違うんだよ!ただの遊びっていうか、本気じゃなくて……」とあたふた。
そのまま夫を問い詰めると、夫は子どもを連れて浮気相手の家に行ったことを白状しました。浮気相手が子ども好きらしく、見せてあげようと思ったのだとか。
「浮気するような人たちと、私のかわいい娘を関わらせたくない」「一切触らないようにしてもらえる?」と言うと、夫は「お願いだから離婚だけは許してくれ!」と言ってきました。
「俺は遊びのつもりだったし、子どもも生まれたから別れようって言った!」「でも彼女が『別れたくない、子育てにも協力するから』って言ってきて……」「だけど、今すぐ帰る!もう彼女とは別れるから、離婚だけは勘弁してくれ!」
最後に味方になってくれた人
「それで、お義父さんとお義母さんからもらったお金はどこにやったの?彼女に貢いだの?」と尋ねた私。すると、夫は「実は……ちょっと前にパチンコにはまっちゃって……借金しまして……」と白状。
最初はビギナーズラックで勝てていたようなのですが、次第に負けがかさむようになったそう。一攫千金を目指していろいろなギャンブルに手をだし、あっという間に借金は3桁万円まで膨らんでしまったというのです。その返済に、義両親からのお金を充てていた夫。
浮気だけじゃなく、借金まで……。私は離婚の決意を固めました。
「ご両親は子どものためにってお金をくれたのに……その思いを踏みにじるなんて」「もう絶対に離婚する!」とはっきり告げた私に、「俺と離婚したら大変だぞ!?」「たった一度の浮気くらい、目をつぶってくれよ!」と言い出した夫。
「家族を裏切って、嘘をついて、お金まで使いこむような人間に育てた覚えはないわよ!」「あんたにはもう家族なんていない、とっとと離婚しなさい!私たちも縁を切らせてもらいますからね!」
夫を一喝したのは義母でした。電話の後に、すぐさまうちへ駆けつけてくれたのです。
「かわいい嫁と孫は、うちで暮らすことになりました」「あなたの荷物は全部処分しておきます」「それと、あなたに渡したお祝い金は全額耳を揃えて返してもらいますからね」
義母から絶縁宣言をされて、言葉を失っている夫。しかし、義母の言葉は止まりません。
「私のかわいい孫を浮気女なんかに触らせてんじゃないわよ!」「とっとと赤ちゃん連れて、帰ってきなさい!」
その後――。
義両親のサポートもあり、夫と私はすぐに離婚。元夫は最後までごねていましたが、「シングルマザーは惨めだし地獄だぞ」と言い捨てて離婚届にサインしてくれました。
娘と共に義実家に迎え入れてもらった私。元夫の最後の言葉が引っ掛かっていましたが、実際の生活は天国のようです。義母も義父も積極的に子育てに関わってくれて、私の就職活動も応援してくれています。面接の日には私の大好物を用意してくれたり、良さそうな求人を見つけては教えてくれたり……。本当に助かっています。
自立しなければ、とも思うのですが、娘も懐いていることですし、仕事が決まって安定するまでは義両親のもとでお世話になる予定です。
【取材時期:2024年9月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。