私に敵対心むき出しの義妹
自分の女子力が高いことを示そうと、義妹は手作りの料理やおかしを年中持ってやってきます。私はガッツリ夫の胃袋をつかんでいるので、そんなことくらいでは夫の心は揺れません。
ある日、わが家に来ていた義妹が夫に買い物を頼んだのです。私に何かするのではないかと心配した夫は、買い物を拒否していましたが、義妹はなかなか引き下がりません。私が心配ないと目配せしたので、夫はしぶしぶ出かけていきました。
そのとたん、義妹の顔つきは急に変わり、私をののしり始めたのです。「お兄ちゃんがおかしくなったのはアンタのせい! 」「デパ地下で買ってきた料理を手料理だと言ってだましている」「性悪女め、アンタなんて嫁とは認めない」と……。事実無根の話から単なる悪口まで、ズラッと並べてくれました。
挙げ句、私が彼女をいじめたと夫にうそを吹き込み、離婚させてやると……。悪女から兄を守る、健気な妹を演出しようと計画していたのです。
ついに夫がキレた!
そのとき、買い物から戻り話が聞こえていた夫が「何勘違いしているんだ?」と冷たく言い放ったのです。そして、作ってくる料理もおいしくないし、猫なで声を出してくるのも気持ちが悪い。夫は、今まで隠していた気持ちをありったけにぶちまけました。
そのとき、たまたま私の兄も遊びにきていて、妙なきょうだい大集合状態に……。そして、私も実兄と仲良くしているのに、自分はなぜいけないのかと義妹は激怒! 私は、この際なのできちんと説明しなくてはいけないと思いました。
「私は誰かさんみたいに無駄にベタベタしないし、兄の恋路を邪魔することもありません。兄が大好きだからこそ、兄には好きな人と幸せになってほしいし、兄の好きな人とは仲良くしたいと思っています。」と伝えるも、義妹はまったく聞き入れません。
兄を取られたくないと駄々をこねる義妹は「お兄ちゃんの1番は私で、お兄ちゃんは自分のものだ! 」と、ギャーギャー騒ぎます。それを見た私の兄が「現実にこういう妹キャラが存在し、そのゴリ押し感がハンパなく痛い、ネタみたい!」と大爆笑!
夫が、「大人になったらお互いの幸せを願って助け合うのがきょうだいの絆というものだ」と教えると、「お兄ちゃんなんて大っ嫌い!」と……。顔を赤らめて逃げ出したのでした。
大切な人の幸せを願う気持ち
あれ以来、義妹はわが家にきていません。彼女にとって、教訓になるような特別な経験となったのでしょう。そして、夫が義妹の言動を義両親に伝えると、自分たちの育て方を反省し、人に寄生する生き方をやめさせようとしました。
そこでバイトを始めることになった義妹ですが、コミュニケーションが苦手でわがままな性格なので、人間関係がうまくいかず長続きせず……。今思えば、こういう性格から兄である夫に執着していたのかもしれません。
私たち夫婦の生活は、おかげさまで穏やかなものになりました。そして、最近私の兄に彼女ができて、とても幸せそう♪ 大切な人が幸せそうにしている姿を見るのは、やはりうれしいものです。そのうち彼女を紹介してもらって、仲良くしたいと思っています。
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うまく行かない人生のフラストレーションを、家族に執着することで解消させようとする。それは、じつにおかしなことです。自分の問題は自分で解決すべきでしょう。そして、家族の幸せは共有し、相乗作用であふれさせたいものですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。