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「うそでしょ!?」母の形見を勝手に売って「500万で売れたぞ!」と夫⇒取り返すために助けてくれた人物と夫の末路

母の形見の時計を修理に出したいと、夫に相談した私。しかし、夫は「金の無駄じゃん」と言って取り合ってくれませんでした……。

夫の兄、つまり義兄は時計販売店に勤めています。修理業者にも詳しいと聞いたことがあったので、私は夫に「お義兄さんにおすすめの修理業者を聞いてくれない?」と頼んだのですが、夫は「どうせ大した価値もないし、眺めてるだけなら売ったら?」と言ってきたのです。

 

そう言う夫はフィギュアのコレクター。母の形見を馬鹿にされた私が「あなたのフィギュアたちこそ、眺めてるだけじゃない!」と言い返すと、しぶしぶながら夫は義兄に話をしてくれることになったのでした。

 

 

修理に出した母の形見

数日後――。

 

義兄の勤めるところの修理でも十分対応できるとのことだったので、私は義兄に母の形見の時計を預けに行きました。

 

「もしも、なんですけど……修理する価値はないなら、はっきり教えていただきたいです」と言うと、義兄は「物を大切にするのはとてもいいことだし、そんなこと絶対に言わないよ!」ときっぱり。そして、「どうしたの?弟と何かあった?」と聞いてくれました。

 

そこで、私は夫から「使わないなら売れば?」と言われたことを正直に打ち明けました。

 

「そんなひどいことを言ったのか、あいつは……」と眉間に深いしわを寄せた義兄。そして、「俺、祖父の形見の懐中時計をまだ持ってるんだ」「何度も修理して、大切にしてる」「だからお母さんの形見を大切にしたい気持ちはよくわかるよ」と言って、懐からひとつの古い時計を取り出し私に見せてくれたのです。

 

この義兄になら安心して任せられると思った私は、そのまま時計を預けて義兄のもとを後にしました。

 

 

 

無断での売却

数カ月後――。

 

「おい、お前、あの時計本当に修理したらしいな!」と言ってきた夫。「修理代いくらだったんだ?」と聞かれたので、「修理後に払うことになってるから、まだわかんない」と答えました。

 

「どうしてそんなことが気になるの?」とこちらから聞いてみると、「いやぁ~かなりいい値段で売れたからさ!」「修理代を指しい引いて、どれくらいプラスになったのか気になってよ」と夫。

 

私はショックで頭が真っ白に。「お願いだから、嘘だと言って……」と言って、そのまま床にぺたんと座り込んでしまいました。

 

「兄貴から『この時計はお前の想像以上に価値のあるものだ、だから売却なんて軽々しく口に出すもんじゃない』って連絡が来てさ~」「兄貴にはテキトーなこと言って、修理後すぐに俺に連絡するように頼んだんだ、その足ですぐに売ってきた!」「まさか、あんな古い時計が500万もするとはな!」

 

まさか、母が500万もする時計を私に遺してくれていたなんて……。私は胸をつまらせながら、「今すぐ返して……!」と夫に言いました。

 

「これだけあれば、レアフィギュアも一気に買えるし、……あ、車も新しくしたいよな」と言う夫。私の母の形見を売ったお金だというのに、夫は自分のものにしようとしているのです。

 

「いつまでも亡くなった人にとらわれてるのは良くないだろ!」「だからお前のために売ってやったんだ!感謝の気持ちを持って、俺に全額渡すべきだろうが!」「実際に、俺は亡くなったじいちゃんの形見のネクタイピンはすぐに売ったし!」と夫。

 

義兄は祖父の形見を手入れしつつ、ずっと大事に持っていたのに……。兄弟でもこんなに違うのかと私は驚きつつ、椅子を支えによろよろと立ち上がりました。

 

「お前のお母さんの形見の時計、500万で売れて大助かりだ」

「もし他にも形見で高く売れそうなもんあったら教えろよな!w」

「うん、ありがとう!」

「え?」

 

 

 

一変した返事を私がしたことに夫は驚いたようです。

 

「怒っても意味のない相手に怒っても仕方ないもんね」「私の大事な時計を高値で売ってきてくれてありがとう」「たった今、それくらいの現金が必要になったからすごく助かるよ!」

 

「急に大金が……?なんだよ、それ」と訝しむ夫に、私は笑顔で続けました。

 

「今すぐお母さんの時計を買い戻すのよ!」「だから今すぐ500万持ってきて」「それが無理ならあなたのフィギュアを全部売って現金を用意するけど……どうする?」

 

夫のフィギュア部屋の方に歩みを進めようとすると、夫はドアの前に立ちふさがりました。

 

「ちょ、マジでやめろって!俺の大切なフィギュアたちなんだ……!」と言う夫に、「大切?私の時計だって本当に大切なものだったけど売られたよ?」「しかも、同意もなく勝手にね……」と笑顔の私。

 

沈黙の間も、私は笑顔のままでいました。恐怖におののいたのか、「すぐに全額用意する!」と言って夫は土下座。しかし、私は「買い戻せる保証もないし、とりあえずあなたのとくにお気に入りの10体、預かるわね」と言って、夫の部屋からフィギュアたちを取りました。

 

 

 

返ってきた形見

数日後――。

 

私の元に、義兄から「無事に買い戻せたよ!」と連絡が。時計の売却が発覚した直後、私は義兄に連絡をしていたのです。

 

夫は「ひどいことを言ったから、謝罪の花束と一緒に時計を妻に返したい」「だから、修理が終わったら俺のところにすぐに連絡してほしい」と言っていたのだそう。それを信じてしまった義兄は、仲直りのきっかけになれば、と修理後の時計を夫に渡してしまったのだそうです。

 

「今度は直接君に渡すからね!」「あと、ここだけの話……この時計は500万どころか、800万以上の価値があるものだからね」「お金以上に、君にとっては思い出の詰まった大事な品だろうけど、一応知っておいてほしかったんだ」と義兄は話してくれました。

 

その後――。

 

 

母の形見を売却されたときから、離婚の意思を固めていた私。事の経緯と離婚について話すために、義実家へ行きました。すると、話を聞いた義両親がそろって「ここにいなさい、馬鹿息子から守るから」と言って、私に一部屋貸してくれたのです。

 

なんでも、夫はフィギュアを買うために義両親に借金までしていたそう。フィギュアを買う頻度が上がっているのには気づいていましたが、まさか私に隠れて借金までしているとは……。義両親は義両親で、私の物、しかも母の形見を勝手に売った夫が許せなかったようです。

 

義両親や義兄の協力もあって、夫と私は離婚。元義両親は、次の住まいが決まるまで義実家の一室で暮らしていいと言ってくれています。元義両親も元義兄も物を大切にする人たちなので、この家はとても居心地がよく、離れがたいです。

【取材時期:2024年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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