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妊娠糖尿病と診断され…胎児の影響や産後の生活について助産師が答えます

ベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、妊娠糖尿病と診断され治療中のママからのご相談です。

妊娠糖尿病のイメージ

 

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、妊娠糖尿病と診断され治療中のママからのご相談です。

 

Q. 妊娠糖尿病と診断され、胎児への影響や産後の生活が心配です

現在37週の初産婦です。子宮筋腫の手術歴があり、38週で帝王切開する予定になっています。

 

妊娠中期の血糖値検査で引っ掛かり、妊娠糖尿病と診断され、現在インスリン自己注射をおこなっています。出産まであと1週間になって出産後胎児に異常がでないか不安です。出産後胎児が低血糖になってしまったりする可能性はかなり高いのでしょうか?また、血糖値のコントロールが必要なら、授乳も難しいのでしょうか?
 

在本祐子助産師からの回答

妊娠糖尿病になり、インスリン自己注射などの治療をなさっているんですね。たしかに、妊娠糖尿病では、新生児に低血糖や赤ちゃんが大きくなるなどのトラブルを抱えることがありますが、そのトラブルを回避するために治療をしつつ妊娠生活を頑張っていらっしゃるということで、大変だと思いますし、不安も人一倍だと思います。産後の生活に対しても、漠然とした不安があって然るべきです。

 

今は産科医師や助産師、管理栄養士の話をよくお聞きいただき、安全にお産が終わるようにしていきましょう。血糖値のコントロールがよければ、赤ちゃんは元気に産まれてくれますし、産後の生活も他の方とほとんど変わりありません。

 

もし、コントロールが難しい場合でも、お産の時期や赤ちゃんの管理など、万全を尽くしてくれると思います。

 


※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー〈 https://baby-calendar.jp/talk/category/tree/10/0

 

※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください

 

妊娠糖尿病の症状や診断、母体や胎児への影響

妊娠糖尿病は、妊婦健診でおこなわれる尿検査や血液検査で発見されることがあります。妊娠糖尿病の症状、母体やおなかの赤ちゃんへの影響を紹介します。

 

症状

喉が渇く、頻尿、倦怠感、体重の急激な変化などの症状があります。初期は自覚症状はほとんどなく、妊婦健診で血糖値の異常を指摘されて気づくことが多いようです。

 

診断

妊婦健診でおこなわれる血液検査で、血糖値を測定し、基準値を超えた場合、75ℊ経口ブドウ糖負荷試験をおこないます。経口ブドウ糖負荷試験というのは、空腹時にブドウ糖75ℊを溶かした液体を飲み、1時間後・2時間後に血糖値を測定します。75 g経口ブドウ糖負荷試験において、①空腹時血糖値≧92mg/dL、②1時間値≧180mg/dl、③2時間値≧153mg/dLのいずれかひとつを満たした場合、妊娠糖尿病と診断されます。

 

妊娠糖尿病による母体と赤ちゃんへの影響

妊娠糖尿病になると、ママだけでなく、おなかの中の赤ちゃんにも健康リスクを与える可能性があります。

 

◆母体への影響
・流・早産
・妊娠高血圧症候群
・羊水過多症
・巨大児出産の時に、産道裂傷、帝王切開率上昇など
・将来、糖尿病を発症するおそれ  

           

◆赤ちゃんへの影響
・巨大児(生まれるときに肩甲難産、腕神経麻痺、骨折のおそれ)
・胎児発育不全
・胎児機能不全
・子宮内胎児死亡
・新生児低血糖
・呼吸窮迫症候群
・低カルシウム血症、高ビリルビン血症
・多血症、など

 

妊娠糖尿病の治療方法と予防方法

妊娠糖尿病になった場合、早期の治療をおこなう必要があります。また、予防方法について解説します。

 

治療方法

妊娠糖尿病の治療には、血糖コントロールが必須です。そのため定期的に血糖値を測定する必要があります。そのため、自己測定をすすめられることが多くあります。その結果をみながら、治療方針が決定されます。

 

【食事療法】
治療の基本は食事療法ですが、栄養バランスのとれた食事内容でカロリーコントロールが必要になります。

 

≪食事療法のポイント≫
・甘い物や糖質の多い物を控える
・ご飯やパン、麺類などの炭水化物を減らす
・ささみや豚、脂身の少ない肉を摂取
・魚、大豆製品、卵などの良質なタンパク質を摂取
・食物繊維が多いキノコ類や野菜などを積極的に摂取

 

【インスリン療法】

血糖コントロールが不良の場合におこなわれます。インスリンを定期的(毎食前、寝る前など)に注射し、血糖コントロールをおこないます。インスリン注射も、血糖測定同様、自己注射がすすめられます。その際は、インスリンの量や注射の方法など間違わないよう、きちんと指導を受けておこなうことが大切です。

 

妊娠糖尿病の治療中、低血糖になる可能性もあります。低血糖を放置すると母児ともに悪影響を及ぼす恐れもあります。低血糖症状(気分が悪くなる、吐き気、冷や汗など)がある場合は、すぐに血糖測定をして糖分を補給するようにしましょう。

 

予防方法

妊娠糖尿病を予防するためには体重コントロールが重要です。妊娠中の体重増加目標は、妊娠前の肥満度によって異なります。バランスのよい食生活、散歩やウォーキング、掃除など、適度な運動をおこないましょう。ただし、妊娠中の運動は無理せずに体調をみながらおこなってください。

 
<適切な体重増加の範囲>
BMI指標 = 実際の体重(kg)÷{身長(m)× 身長(m)}

 

・やせの人(BMI 18.5未満):+9~12kg
・肥満度が標準な人(BMI 18.5~25未満):+7~10kg
・妊娠前に肥満な人(BMI 25以上):+5kg以下

 


※参考:基礎知識(妊娠中)「妊娠糖尿病の原因は?症状や母体・赤ちゃんへの影響、治療方法と予防方法について」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/1011 〉【監修:三鷹レディースクリニック院長 天神尚子先生】

  • ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『助産師に相談』『管理栄養士に相談』の掲示板をぜひご活用ください!

 

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