住宅購入や子育て資金の援助にも税金が?~贈与税の基礎知識~

2018/10/08 20:00
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この記事では、ファイナンシャルプランナーの大野先生が贈与税についてお話しします。1年間で110万円を超える贈与を受けた場合は、贈与税の申告・納税が必要となります。贈与の目的が住宅を購入するための資金として、父母、祖父母から贈与を受けた場合は、特例として2020年3月末までは700万円(耐震・省エネ性能の高い住宅等は1200万円)までの贈与が非課税となります。
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お子さんの出産や進学、住宅の購入など、大きな費用がかかるライフイベントには、父母や祖父母から金銭的な支援を受けることも少なくありません。しかし、家族からの支援といっても一定の金額を超えると贈与税の対象となることがあります。今回は、贈与税についての基礎的な情報や注意点等についてお伝えします。

 

1.原則は1年間に110万円以上の贈与を受けた場合は贈与税の対象

贈与とは原則として、生前にあげる人ともらう人の合意で成り立つ契約行為です。相手が法人の場合や役務を伴う労働や委託・請負等の契約は対象外です。贈与は契約といっても口頭でも可能ですが、金額が多額になる場合は家族間の贈与でも契約書を作成したり、口座への入金をしたりと客観的な事実が分かるようにすると良いでしょう。  

 

1年間で110万円を超える贈与を受けた場合は、贈与税の申告・納税が必要となりますが、1年間の判定は所得税・住民税と同じ毎年1月1日~12月31日です。年度(4月1日~翌3月31日)ではありません。1人からもらった贈与額は110万円以下でも複数人からの贈与の合計が110万円を超えると、申告・納税の対象となります。申告・納税の手続きはお住まいの管轄している税務署でおこないます。

 

2.住宅購入資金の贈与を父母、祖父母から受ける場合は贈与税の掛かる基準が変わる

贈与額が原則1年間で110万円を超えると贈与税の対象となりますが、贈与の目的が住宅(投資用、別荘等は除く)を購入するための資金として、父母、祖父母から贈与を受けた場合は、特例として2020年3月末までは700万円(耐震・省エネ性能の高い住宅等は1200万円)までの贈与が非課税となります。贈与額110万円以下の贈与は申告不要ですが、この特例によって非課税の場合でも税務署への申告は必要です。詳細な条件は以下のとおりです。  

 

①期間……………2020年3月末までの贈与(2021年12月末までは贈与額の上限が変わりますがこの特例は継続予定)  

②贈与する人……父母、祖父母等の直系尊属  

③贈与される人…贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上かつ合計所得金額が2000万円以下の人  

④贈与の目的……居住用の住宅(投資用、別荘等は対象外)を購入するための資金  

⑤面積上限………50㎡以上240㎡以下  

⑥非課税金額……耐震、省エネ、バリアフリー性の高い住宅は1200万円まで、その他の住宅は700万円まで          

2020年4月~2021年12月以降または消費税率が10%を超えた場合は、上限が変更となります。


3.結婚・子育て資金の一括贈与に対しての非課税制度は金融機関への預け入れが必要

結婚・子育て資金を目的とした贈与は、特例として2019年3月末まで父母、祖父母からの贈与に限り、1000万円(結婚費用のみの場合は300万円)までが非課税となります。贈与を受け取る人の金融機関口座への預け入れ(振込)の上、手続きを取る必要があります。詳細な条件は以下のとおりです。  

 

①期間……………2019年3月末までの贈与  

②贈与する人……父母、祖父母等の直系尊属  

③贈与される人…20歳以上50歳未満の子、孫  

④贈与の目的……結婚・子育て資金  

⑤非課税金額……1000万円まで(結婚費用は300万円まで)  

⑥注意点…………贈与される人の金融機関口座に一括での振込と金融機関でこの制度を使う手続きが必要です。          

贈与された人は払い出した金額を結婚・子育てに使った書類の提出が金融機関する必要があります。  

 

また、贈与税の特例は、教育資金の一括贈与については、以前お伝えした記事「子育て世代も確認!相続の基本②~生前贈与を活用~」、相続時精算課税制度については、国税庁HP「No.4103 相続時精算課税の選択」をご確認ください。

 

 

贈与税の非課税制度は複数併用が可能なものもあり、贈与前に手続きや対策が必要なものが少なくありません。住宅購入や子育て資金に年間110万円を超える可能性がある場合は事前に制度を確認するようにし、不明な点があれば税務署または税理士、ファイナンシャルプランナー等の専門家に確認することをおすすめします。


1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談をおこなうとともにセミナー講師として活動しています。

 

※参照:国税庁HP「No.4103 相続時精算課税の選択」〈 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm


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