友人と焼肉パーティー
私は35歳で、3歳と1歳の子を育てながら美容師をしています。先日、次男を出産後初めて友人から焼肉に誘われ、夫に子どもを預けて久々にお酒の席を楽しみました。「産後からずっと大変だったでしょう」という友人のねぎらいもあり、楽しい雰囲気の中、焼肉とビールが進みます。子どもの世話を考えずのんびりお肉を食べられたため、日々の育児の疲れを忘れられました。
しかし、食事が終わって友人と別れタクシーで帰宅すると、胃に少し違和感が。「つい食べ過ぎちゃったな」と思い、常備薬の胃薬を飲んでから眠りました。すると次の日、さらにひどい胃もたれがするのです。「痛たた……」と胃をさする私に、夫は「久しぶりの友だちとの飲み会、楽しみすぎちゃったんじゃない? 胃薬飲んでおけば」とひと言。「昨日も1包飲んだんだけど……」と言いつつ、胃の調子は悪いのでもう1包飲みました。しかしその翌日になっても、翌々日になっても胃もたれは改善しません。
胃もたれしてから3日目には「はしゃぎ過ぎたな……」と反省しながら、内科を受診することに。事情を話すと医師は「食べ過ぎの胃もたれですね。薬を出しておきます」と、処方箋を出してくれました。
一向に改善しない胃もたれ
受診から1週間が過ぎ、医師から処方された胃薬を飲んでも症状は一向に改善しませんでした。薬を飲んだ直後は少しすっきりするように感じましたが、しばらくするとまた胃に違和感があるのです。こんなに長く胃もたれした経験はなく、少し怖くなってきました。
焼肉パーティーから2週間が過ぎたころ、同僚に「この前、産後久しぶりに友だちと焼肉に行ったんだけど、それからずっと胃もたれしてるんだ」と相談しました。すると同僚は「え?! 2週間の胃もたれは長すぎない?」と急に神妙な面持ちに。
聞くと、彼女の父親は胃がんが判明するまで胃もたれが長引いており、本人は胃が弱っていると思い込んでいるうちに胃がんが進行してしまったのだそう。同僚は「とにかく、何もないかもしれないけど、もう一度受診してみたら」と再診をすすめます。私も「胃がんだったらどうしよう……」と心配になり、その翌日、胃腸科を受診することにしました。
これまでの経緯を医師に話し、まず胃カメラの検査をして、必要がありそうだったらピロリ菌の検査をすると提案が。「何もないとは思いますが、胃がんでないとは言い切れません。もしピロリ菌に感染していたら、胃がんのリスクも跳ね上がります」という言葉はとてもショッキングでした。
胃カメラとピロリ菌検査
鼻から胃カメラを入れることになり、検査台に寝かされます。鼻の周りに麻酔が含まれたゼリーのようなものを塗布され、カメラの付いたスコープがスルスルっと体内へ入っていきました。私はそれほど痛みもなく、嘔吐感もありませんでしたが、胃がんかもしれないという恐怖から、とても落ち着いていられないような気分です。
しばらくして検査は終わり、待合室で過ごした後、医師から検査結果の説明がありました。結果は軽い胃潰瘍(いかいよう)。何らかの原因によって胃に穴が開き、粘膜の下を傷つけている症状だそうです。また現時点で目に見える胃がんの病変はないとのこと。私はとてもホッとして、やっとひと息つけたことを覚えています。
しかし医師は「ピロリ菌に感染しているようなので治療が必要ですね」と言ったのです。私は「ピロリ菌に感染していると、胃がんのリスクが高くなるとおっしゃいましたよね? 私は大丈夫でしょうか」と医師に質問しました。すると医師は「きちんと除菌すれば、リスクは減らせます。今の時点で病変もないし、心配しなくてもいいでしょう」と言ってくれました。
それから除菌のため1週間薬を飲み、1カ月後に再受診することに。再診時は胃カメラで胃潰瘍の様子もチェックしてもらい、治癒が確認できました。たかが胃もたれと思っていましたが、軽く見える症状にもさまざまな病気が隠れている可能性があると知りました。
まとめ
産後、久しぶりの焼肉パーティーで浮かれていた私は、子育てのストレス発散という名目で、食べ過ぎていたのでしょう。胃もたれが長引いているなとは思いましたが、まさか胃潰瘍にピロリ菌感染までしているとは思いませんでした。同僚から父親が胃もたれを放置して胃がんが悪化した話を聞かなければ、再受診をしなかったかもしれないと思うとぞっとします。軽い症状であっても違和感があるときは必ず受診しなければと考えさせられた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:山野 桜/30代・美容師。3歳と1歳の息子がおり、日々仕事に子育てに奮闘中。趣味は食べ歩きとお酒で、末っ子が卒乳したタイミングから、改めてお酒のおいしさを実感している。
イラスト/サトウユカ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
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