わが子は予定日よりも1週間早く生まれ、2400gの低出生体重児でした。おなかの中にいるときから体重の増加率は緩やかで、担当医師からも「出産時に2500g上回るか難しい状況ですね」と言われていました。小さく生まれたわが子が、成長曲線内の体重になるまでのお話です。
入院中は母乳とミルクで葛藤……
出産翌日から母乳を与え始めました。母乳の出はよかったので、完母で育てられたらと思っていました。しかし、助産師からは「低体重なのでしっかりと体重管理をおこなうためにも、母乳は1日1~2回でミルクを中心にあげましょう」と言われました。完母できない切なさがこみ上げてきましたが、私の感情よりわが子の体調が最重要だと割り切り、ミルク中心の生活にしました。日々不安ばかりが募っていきましたが、入院延長もなく、無事親子一緒に退院できて一安心でした。
ドキドキの1カ月健診
退院後は1日に母乳を2~3回、体重を少しでも増やすために3時間おきには必ずミルクを与えていました。1カ月健診に行くと、他の赤ちゃんの体はわが子より大きくしっかりしていて、その体格差にショックを受けました。
そして、その不安を包み隠さず助産師に相談すると「生まれてすぐ個人差は出始めます。でも、お母さんと赤ちゃんが頑張ったから、体重が成長曲線に入ってきました。大丈夫です」と言われ、今までの頑張りを肯定してもらえたことで精神的にほっとしました。
やっぱりドキドキの3カ月健診
3カ月健診までの間、3時間おきにミルクをあげていましたが、一時期ミルクを飲む量が極端に減ってとても困りました。粉ミルクのメーカーは変えていないし、私生活で目立った変化もなかったので、飲まなくなった理由が分かりませんでした。そこで市の育児相談室で相談すると、ミルクの温度が原因だと分かったのです。
市の育児相談室となると敷居が高く感じたのですが、思い切って相談してよかったです。これを皮切りにミルクを飲む量が増え、3カ月健診では体重も成長曲線内の中間地点になって安心できました。
完母がいいという親のエゴより、一番大切なのはわが子にとって何が最善かということだと痛感しました。また、不安や育児での不明点があれば恥ずかしがらずに育児知識のある方に話を聞いてもらうことで、精神的に安心することもあるなと実感しました。
著者:酒井美希子
一児の母。フードコーディネーターの資格を取得し、食品メーカーの商品開発やマーケティングに従事。現在は出産を機に退職し、妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。