自分時間を確保したい!その焦りが…
当時の私は、20時に子どもたちを寝かせることを目標に、朝から夕食の下ごしらえをするなどスケジュールを徹底管理していました。
娘は幼稚園バスから下車するとすぐに公園で遊び、お友だちと解散後は自宅前で縄跳びの練習をするのが日課。私はその日も、息子の相手をしながら、縄跳びが目標回数に届かずかんしゃくを起こす娘をなだめ、16時45分ごろにようやく玄関のドアを開けたところでした。
頭の中は「このあといかに素早くお風呂や夕食を進めるか」でいっぱい。どうやって時間通りに進めるかばかり考えていたそのとき、背後から「ぎゃーっ!」という叫び声が!
我に返って振り返ると、なんと息子が自分の顔に向かって虫よけスプレーを噴射していたのです! ベビーカーの下の荷物入れにあった虫よけスプレーを、私が目を離した隙に取り出してしまっていました。
必死の検索で探し当てた病院は…
目の中に入ったスプレーが痛いようで、息子は大泣き。私は「失明したらどうしよう」と恐怖で頭が真っ白になりながら、息子を抱きかかえて洗面所へ。しかし、泣き叫ぶ息子の目をうまく洗い流せず、私もパニック状態に……。
必死でスマホを操作し、近隣の眼科を探しましたが、あいにくその日は木曜日で多くの病院が終日休診。時刻もすでに夕方17時近く。ようやく、約3km離れた病院を見つけ、診察受付時間ギリギリの17時前に電話をかけ事情を説明すると、診療時間を過ぎても対応してくれるとのこと。
私は疲れてぐずる娘と、痛くて泣く息子を連れてタクシーに飛び乗り、病院へ駆け込みました。診察の結果、息子の角膜は傷ついていたものの、目薬の処方で治ると聞いて本当に安心しました。
今回の事故は、虫よけスプレーのロックをかけ忘れ、息子から目を離してしまった私の不注意によるものです。自分の時間を確保したいという焦りが、事故につながってしまったことを痛感。
今では、時間に追われて余裕がなくなりそうなときほど、「まずは落ち着くこと」を意識するようにしています。
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虫よけスプレーが目に入ってしまった場合は、まず製品の注意表示や取扱説明書に従って処置をおこなうことが基本とされています。
目の赤み・痛み・涙・異物感などの症状が続く場合は、迷わず眼科を受診しましょう。その際は、使用した製品の容器などを持参すると、より的確な診察につながります。
受診すべきか迷ったときは、「子ども医療電話相談(#8000)」を活用するのも一つの手です。医師や看護師が、適切な対応をアドバイスしてくれます。
また、誤噴射を防ぐためには、スプレーは使用後にロックをかけ、子どもの手の届かない場所に保管することが大切です。
思わぬ事故を防ぐためにも、日常的に安全対策を意識していきたいですね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:矢野優奈/40代女性。2015年生まれの娘と2017年生まれの息子の小学生ママ。金融機関に6年間勤務、夫の転勤により退職し事務のパートをしたのち、娘の出産を機に退職。趣味は読書と旅行とスイーツ、モットーは「やらぬ後悔よりやる後悔」。
イラスト:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)