赤ちゃんが吐いた物に違和感…
遠く離れた実家から戻り、夫と私と生後2カ月の赤ちゃんとの新生活がスタートしました。その日も赤ちゃんは早起きで、機嫌良好。「もう起きたのね~」と、夫婦でベビーベッドを囲んでいたときです。
「けぽ」と、赤ちゃんが突然、母乳ではない物をごく少量吐き戻しました。まだ離乳食を始めていないのに、こんな物を吐くなんておかしい!と焦った私。
しかし、赤ちゃんの機嫌は良好です。とにかく相談をと、私は「子ども医療電話相談(#8000)」に電話をかけました。
(※)「子ども医療電話相談(#8000)」:休日・夜間の子ども症状にどのように対処したらよいか、病院を受診したほうがよいのかなどの判断に迷ったときに、小児科医師・看護師に電話相談ができる事業。全国同一の短縮番号#8000をプッシュすることにより、住んでいる都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からアドバイスを受けられます。
「救急車を呼びます」と言われて!?
震える手を押さえ、電話口で状況を説明。「すぐに救急車を」と電話が転送され、救急要請をしました。
救急車到着までの間、受診の準備をしながら、救急車を呼ぶ事態なの? もし、悪い病気か何かだったら? 不安が次々と巡ります。パジャマのまま外へ行こうとする程、顔面蒼白で慌てていた私は、ようやく夫がいないことに気付きました。
登場した夫の衝撃の姿にあぜん!
私が「準備できたけど」と夫がいた洗面所へ行くと、その様子にびっくり!
「俺も、もう準備できるから」と、歯磨き、洗顔、ヘアセット中の夫。ワックスに手を伸ばしたとき「それはいい! 早く!」。ただただあきれる、すっぴんメガネ姿の私でした。
救急受診後、「心配ないでしょう。帰っていいですよ」と言う医師の言葉に、私は全身の力が抜けました。医師いわく、吐き出したものは正確には不明だが、赤ちゃんの体内から出たというより、当日乳腺炎気味だった私の母乳由来のものである可能性が高い、とのことでした。
帰り道、「救急車呼んだら、ヘアセットなんてしなくていいよね」と私が言うと、「はい」と気まずそうに返事をした夫は、ようやく自分しか見えていなかったことに気付いたようでした。
この出来事を受け、今後の緊急時の対応について、一緒に考えました。
・親の準備は必要最低限、過剰な身だしなみ不要
・緊急対応に必要なおむつ、着替え、おくるみ等はリュックに常備
何より一番大切なのは子どもです。「1人は必ず子どもの様子を観察し、そばにいる」ということを夫婦で確認しました。
著者:富伊 凛/30代女性。2016年、2020年生まれの兄妹の母。仕事と育児の両立に苦戦し、離職を決意。都会暮らしに疲れ果て、地方移住をもくろむ。趣味はベランダ園芸。嫌いなものは、花につく悪い虫と、雨の日の電動チャリ走行。
イラスト:ミロチ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)