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10年前のクリスマスにわが家を襲った悪夢!あきれた言動で父親の威厳を失墜させた残念な夫の話【体験談】

わが家には12月に入ると毎年必ず語られる悪夢のような思い出があります。それは海外出張から帰った夫が持ち込んだ菌によって、一家4人が次々と急性大腸炎でダウンしたこと。そこまでは災難だったとも言えますが、本当に忘れられないのは、軽症で済んだ夫が丸3日まともに食事もとれない妻子を前に放ったあきれた言葉でした。それを機に、家族からの信頼を失うことになった残念な夫のエピソードをお話しします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師里村仁志先生

里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
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海外出張から帰国した夫

それは忘れもしない10年前の12月のことです。クリスマスを目前に控えた21日に夫が海外出張から帰国しました。翌日、下痢症状があると受診して検査をしたものの、普段からおなかを壊しやすい夫は、2日休んで24日から出社しました。検査結果は年末にわかるということでした。

 

当時、息子は中学3年生で娘は小学4年生。まだクリスマスを楽しみにしている年ごろです。私は夕方からポテトサラダとクリームシチューを作り始めましたが、夜になって体調が急激に悪化し嘔吐。やがて胃がけいれんするように痛み出すと、下痢が始まりました。

 

食事を楽しむどころか、準備することさえままなりません。娘に予約していたチキンを引き取ってくるよう頼み、塾から帰ってきた息子にシチューを温め直してもらい、夫と子どもたちだけで食べてもらいました。

 

クリスマスの家族を襲った病

私は吐き気と腹痛を繰り返すたびにトイレに駆け込み、やがておなかが空っぽになると、ようやく落ち着いて眠りに就きました。ところが深夜2時過ぎ、横で寝ていた娘が急に起き上がり、布団の上で嘔吐したのです。その後、下痢も始まりました。自分も具合が悪いのに、私は娘の介抱をしながら汚れた布団を片付け、トイレに行きやすいリビングに別の布団を敷いて娘を寝かせました。

 

すると、今度は息子が起きてきて「俺もなんだか気持ち悪くなってきた……」と言うのです。30分もせずに、息子も嘔吐と下痢を繰り返すようになりました。深夜3時過ぎ、今度は息子の吐しゃ物を片付け、トイレにうずくまる息子を介抱することに。この間、夫はわれ関せずで、翌朝「俺のが感染したかな。でも大丈夫、すぐに良くなるから。水分だけちゃんととって」と言って、会社に行きました。

 

ちょうどこの日から学校は冬休み。息子は塾の冬期講習がありましたが、初日から欠席に。「すぐに良くなる」と言った夫の言葉もむなしく、私と子どもたちは発症から3日たってもまともに食事ができませんでした。軽症で済んだ夫だけは食欲旺盛で、いつまでも調子が戻らない私たちを不思議がっていました。

 

 

夫のあきれた言動にドン引き

その年は27日が夫の仕事納めで、普段より少し早く帰宅した夫は、リビングでだるそうに横たわっている私を見て、腹立たしそうに「夕飯は?」と聞いてきました。「自分の分だけお弁当でも買ってきてもらえばよかったね。私たち、まだちゃんと食べられないから、うどんでも少し作ろうかと思ってるんだけど、あなたもうどんでいい?」と聞くと、急に「何それ! 今日は俺の誕生日だっていうのにっ!」と子どものように怒り始めたのです。私は絶句しました。不穏な空気に子どもたちも凍り付きます。

 

そう、12月27日は夫の誕生日。いつもなら少し手の込んだ料理とケーキを用意するところですが、その年はそれどころではありませんでした。「こんな状態で、どうして誕生日のごちそうが作れるの?」と抗議すると、夫は「もういいっ!」とすねて書斎へ入って行きました。面倒な夫を野放しにできず、私は重い体に鞭打ってキッチンに立ち食事の準備を始めたのですが、結局夫は年末までへそを曲げていました。

 

その後、検査で病原性大腸菌O126が検出されました。よく聞くO157ほど重篤ではありませんが、下痢や嘔吐を引き起こす大腸菌の一種だそうです。同じ症状で次々と家族がダウンした状況を見ると、夫から私に、そして子どもたちに感染したのだろうということでした。

 

クリスマスを台なしにされた子どもたちからは不満が噴出。特に高校受験を控え、冬期講習を3日も休むことになった息子は、父親への怒りが収まらないようでした。事態を冷静に観察していた娘も「お父さんが持ち帰った菌なのに、どうしてお父さんが一番軽く済んで、症状が重い私たちに怒ってるんだろう」と不服そうです。夫にこういう子どもっぽさがあることを承知していた私も、妻子の非常事態に看病するどころか自分の誕生日のごちそうを期待している幼稚で能天気な姿に、このときばかりはあきれ果てたのでした。

 

まとめ

幼少期は母親の印象操作で子どもたちの前では良く見せていた父親像ですが、年ごろの子どもたちを前に夫はあっけなく自分の化けの皮を剥がしてしまいました。これを機に、子どもたちの夫への信頼感が揺らぎ、父親の威厳が失われたことは言うまでもありません。妻子のピンチより、自分の誕生日を優先しようとした父親の姿は、子どもたちの心に「失望とあきらめ」を刻み込んだようです。あれから10年たった今も、子どもたちは父親に父親らしさを期待していません。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:あらた繭子/50代女性。1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒やしは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴。

イラスト/おんたま

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)

 

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