ドイツ人の夫と入籍し、すぐに妊娠。そのまま渡独し、第1子を出産しました。現在、長女が4歳になり、1歳の次女が加わり、子育てに奔走中です。日本の育児方法とはかけ離れた、ドイツでの子育ての常識に驚かされることも多いのですが、気がラクになったことも多々あります。
第一関門は寝かしつけ
赤ちゃんと暮らすようになって、はじめにぶち当たった壁は寝かしつけでした。
抱っこして子守歌を歌いながら、やさしく揺する。寝たと思って下ろすと目を覚まして泣く。また抱き上げて子守歌を歌う、下ろす、泣く……。こんなことを毎日1時間も2時間も繰り返していて、気が滅入ってしまいました。
夫が「もっといい方法があるのでは?」とドイツの育児書を調べると、驚くべきことが書かれていました。
寝かしつけに抱っこはNG!?
ドイツの育児書を読むと「寝かしつける際はベッドに寝かせ、泣いているときは顔を覗いたり、歌を歌ったりする。抱き上げるとひとりで寝られなくなってしまうので、抱っこしてはいけない」と記載されていました。たしかにドイツでは子ども部屋でひとり、またはきょうだいと寝るようになる時期が早いです。
ひとりで寝るための訓練は生後すぐ始めるようです。育児書通りではありませんが、抱っこだけでの寝かしつけをやめるきっかけになりました。
他にもまだある頑張り過ぎない子育て
驚くのは寝かしつけだけではありません。大人が土足で歩いている床を赤ちゃんがハイハイするのは日常風景です。ドイツ人ママたちは「抵抗力を養う」と言い、公園に行くとおむつ姿で泥まみれになっている赤ちゃんもよく見かけます。
また、日本ではほとんどの水道水が軟水ですが、ドイツは硬水なので赤ちゃんの肌には刺激が強いため、病院でも沐浴は週2~3回と指導されます。生後すぐ散歩や日光浴をすすめられ、街で新生児を見かけることも普通。とにかく神経質にならない子育てをしています。
もちろん、ドイツの子育て論のすべてを肯定するわけではありません。でも、まったく違う育児常識を比較し、自分の思っていたことが必ずしも当たり前ではないのだから、多少アレンジした子育てをしてもいいと思い、気がラクになりました。
著者:ヘガー亜矢子
結婚を機にドイツへ移住し、1歳と4歳の姉妹を育児中。婚前より携わっていたインテリアやグラフィックのデザインをメインにフリーランサーとして活躍中。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。