「本家の長男だから」と言う夫
このとき息子は2歳で、長時間おとなしく座っていられない年齢。私は、そんな息子の相手をしながら、生後3カ月の娘の授乳やおむつ替えなどをひとりで対応するのは難しいと思いました。
そこで夫に「葬儀の間は息子をお願い」と伝えた私。しかし、夫は「俺は本家の長男で忙しいから。子どもの面倒は見られない」と言うのです。私は夫も何か役割があるのかと思って、しぶしぶ了承することに。
自分のことばかりで残念な夫
しかし実際には、義祖父の長男である義父が喪主をしており、夫には特に何の役目もありませんでした。
さらに、娘がグズるため控え室に行こうとした私に対して、「下がってないでちゃんと参列者にあいさつして」と言う夫。私は何とか娘をその場であやしましたが、今度は息子が席を立ってウロウロしだしてしまいました。
私は「もうちょっとだけ頑張ろうね」と声をかけながら、どうにか息子をその場に留めることに成功。しかし、私は義祖父との別れよりも、子どもたちの世話に疲れ切ってぐったり……。まったくフォローしてくれない夫に対しても残念な気持ちでいっぱいでした。
息子だって本家の長男!
そこで私は「本家の長男なのは息子くんも同じでしょ? みんなにあいさつして回らないと!」と夫に告げました。夫はバツの悪そうな顔をしながらも、以降は息子の面倒を見てくれました。
息子と一緒に参列者にあいさつをし、あちこち動き回る息子を追いかける夫。スマートな立ち回りはなかったものの、「ちゃんとパパしてるね」と、親戚からやさしい言葉をもらっていました。
翌日、「葬儀中にひとりで子どもたちの世話をするのは無理だし、しんどかったよ」と自分の気持ちを改めて夫に伝えた私。夫は「自分がしっかりしているところを親や親戚に見せたかった」と言いました。「それなら育児も含めてちゃんとしてるとこを見せるほうがいいんじゃない」と私が言うと、夫は納得した様子。今後、冠婚葬祭などは夫婦で協力して子どもたちを見ていきたいと思います。
著者:都 うめこ/30代女性。2017年生まれの男の子、2019年生まれの女の子を育てるママ。転勤族の夫に帯同しながら、ライターとして公園レポートや子育てのエピソードを執筆している。
作画:ぐら子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)