最近、何だか夫の様子が変なのです。何事も投げやりで、人を見下すような発言が増えた気がします。帰宅も遅く、週末のたびに出張が入って家にいません。家にいるときは、スマホを肌身離さず、四六時中気にしています。
仕事が大変だと言っては家族に当たるので、義父が諭してくれたのですが、逆に私たちは気楽でいいとバカにしてきます。
義父が倒れた!夫に連絡すると…
私の苦労を理解してくれて、とても感謝してくれている義父。家のことを一手に引き受け、子どもの面倒を見て、義理の親も気遣う。私がいなければ家は回らないし、夫も外で安心して働けないと、褒めてくれました。娘も、夫は私に対して感謝の気持ちが足りないと言ってくれたのです。
義父と娘に責められ、ふてくされた夫。いつも義父と娘が私の味方になって夫を注意してくれるので、私は何とかやっていけています。
今週末も、夫は出張。なぜかご機嫌で出かけたのが気になります。残された私たち3人は、いつものようにボードゲームで遊んでいました。すると、義父が急に胸を押さえて倒れ、救急車で運ばれたのです。
私は、義父のことが心配で手の震えが止まらず、不安で仕方ありませんでした。病院到着後、夫に何度も連絡したのですが、一向に出てくれません。ようやく電話に出たと思ったら、夫はなぜかブチ切れていて……。
「何度もかけてくるな!」「一切連絡するな、俺は忙しいんだ」
さらには、私のことをののしって、「お前と違って暇人じゃないんだ!」「この寄生虫め!」などと、罵倒の嵐でした……。
私と娘は夫にすっかりあきれ、とにかく義父の無事だけを祈ることにしました。幸い、義父は命に別状はなく、しばらく入院して経過観察をすることに。
夫をこらしめるために亡くなった義父
義父が無事だとわかり一安心すると、今度は夫への怒りが湧き上がってきました。そんなとき、娘が何かを思い出したように、自分のスマホをいじり始め、「あっ!」と声を上げ、私に画面を見せてきたのです。
そこには、夫の所在地が表示されていました。娘のスマホを使って、夫にちょっとした細工をしていた義父。娘には「パパがどこにいるか探してみよう」と言って、いつも探偵ごっこをして遊んでいたのです。義父は、夫と娘のスマホにこっそり位置情報がわかるアプリを入れていました。
娘のスマホに表示されている夫の居場所は、リゾートホテル。仕事をしていないことは明白です。今までのことにも合点がいった私は、夫をこらしめることにしました。
数日後、出張から帰ってきた夫。誰もいない自宅に違和感を覚え、私に連絡してきました。私は説明なしに、夫を病院へ呼び出しました。慌ててやってきた夫は、深刻そうな表情をした私と娘、静かに横たわる義父を見てぼう然。その場に立ち尽くしています。
私は『遺言書』と書かれた封筒を夫に差し出しました。遺言書には、これまでの不誠実な行為のすべてを明らかにし、今後は家族最優先、家庭に尽くすこと。それを約束しない限り、遺産は渡さない。もし夫が条件を満たさない場合、遺産はすべて私と娘に渡すと書いてありました。
私は夫に詰め寄りました。嘘はつかないほうがいい、全部知っていると私が告げると、不倫がバレていることにやっと気づいた夫。あきらめた夫は、部下と不倫していることを白状し、すべてさらけ出しました。
夫がすべてを白状し終えると、ベッドに横たわっていた義父がムクリと起き上がり、驚いた夫の悲鳴が病室にこだましました。
家族をバカにし、裏切った夫に天罰
義父は夫に遺産はやらないと言い、それを聞いた夫は憤慨。しかし義父は、その場で生きているうちにすべての財産を私と娘に譲渡すると決めました。そして、夫に絶縁を宣告したのです。そこで私も、夫に離婚の決意を伝えました。
私たちのスッキリした顔を見た夫は、ガックリと肩を落としながら病院を後にしました。その後、離婚の話し合いを始めた私と夫。なぜか別れたくないとゴネた夫でしたが、不倫の証拠を弁護士から突きつけられて、あっさり陥落。離婚が成立しました。
家から追い出された夫は、不倫がうわさになり、会社での居場所を失くし、不倫相手も失くしたそうです。さびしく、苦しい毎日を過ごしているとか。一方私たちは、今でも楽しくやっています。義父ではなくなった義父とも、まだ同居中です。今日も私たち3人は、ボードゲームで大盛り上がりです。
◇ ◇ ◇
3人が幸せな結末を迎えることができて、本当に良かったですね。息子の悪行を明らかにして罰を与え、妻と孫を大切にしてくれる義父。これからも3人で協力して楽しく暮らしてほしいですね。スマホのアプリで位置情報を共有することで、今回の不貞が明るみになりましたが、本来であれば子どもの安全を見守るなど、やさしい理由で活用したいものです……。ひとりになった夫には、心から自分の行ないを反省し、これからは関わる人を傷つけないないよう改心してもらいたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。