運転は慣れたもの
私が初めて車の運転免許を取得したのは18歳のときでした。それから43歳の現在まで、妊娠中を除き車の運転をしていなかった期間はありません。
以前、介護の仕事をしていたときには、車椅子やストレッチャーをそのまま積める福祉車両の運転も経験しました。施設に入居する高齢者の方々の外出や病院受診、短期で施設を利用する方の自宅との送迎などをおこなっていたのです。
単に車の運転をするだけではなく、施設を利用する方々の命を預かっての運転はひどくプレッシャーを感じる仕事でした。今も運転中はいつも集中を切らさないようにしたり周囲に注意を払ったりしていますが、命を預かった過去の経験があって今の安全運転につながっていると感じています。
とはいえ、ずっと集中したり緊張したりした状態だと疲れから事故を引き起こしかねないので、適度に休憩や肩の力を抜いて運転するようにしています。今のところ、免許証更新の際は、毎回ゴールドで更新できています。そんな常に安全運転を心掛けている私は、40代になってもまだまだ運転に不安はないと思っていました。でも、ある日の夕方、あわや事故という心底怖い体験をしたのです。
夕暮れどきの運転で危機一髪
それは、子どもの習い事が終わり、車を運転していつもと同じ道で帰宅していたときのことです。交差点を右折しようとしたときでした。突然フッと自転車に乗った人影が目前に現れたのです。私は慌ててブレーキをかけたので事故には至らずに済みましたが、あともう少し気付くのが遅れたり、ブレーキが間に合わなかったりしたら事故になっていたところでした。
秋になり日が短くなってきたとは言え、夕方でも空はまだ明るい時期でした。ただ、その日は曇天でいつもより暗くなるのが早かったので、私だけでなくすれ違う対向車もヘッドライトを点けていました。そんな薄暗い中だったことも、右側通行をしていた自転車が迫っていたことに気が付けなかった一因かもしれません。
現場は、信号もあるそこそこ大きな交差点で見通しも悪くはありません。右折の前にもちろん安全確認をしていましたが、自転車が無灯火であったことや乗っている人の服の色が目立たない色であったことも重なり、事故になりかけてしまったのです。
何事もなかったのでお互いに頭を下げてその場は収まりましたが、もし事故が起きていたらと思うと思わずハンドルを持つ手が震えてしまうほど恐怖を感じました。
今回は間に合ったけれど…
無事帰宅したものの私の頭には今後、年齢を重ねたときの運転が思い浮かびました。警察署で免許証を更新したとき、講習で加齢による運転のリスクや免許証の自主返納について聞いていたからです。
車の運転は高齢になるほど体力の低下により集中力が切れやすく、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど操作ミスが起きやすくなるそうです。また、とっさのときの反射神経や判断能力も衰えていくとのこと。例えば私のように自転車に衝突しそうなとき、今回はまだ間に合ったブレーキが間に合わなくなる可能性も。
思えば、右側走行の自転車に気付いたときに車で抜きながらきっとすぐ曲がるのだろうと思ったのも判断ミスでした。自転車がそのまま進み右折する私の車とかち合う可能性があると予測できていれば、事前の注意ができたのです。
更新のときには他にも、視力の低下や視野が狭くなることで人や自転車、他の車に気付きにくくなって衝突しやすくなるなど、さまざまな要因で事故の可能性が高まるため衰えを感じたら運転免許証の自主返納を考えてほしいと言っていました。警察署の講習で夕方の運転に気を付けてと言われていた理由や、将来的に運転免許証の返納を考える必要があるわけを、身をもって体感しました。
まとめ
私は以前、買い物先で、駐車場から店舗入り口のガラスに車を突っ込んでしまった高齢女性を見たことがあります。ガラスが飛び散る中、体を小さくして警察の事情聴取を受けている姿は衝撃的でした。
今はまだ大丈夫でも車の運転を続けたい私にとって明日はわが身。将来的には運転免許証の返納も考えつつ、気を引き締めてハンドルを握っている日々です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:岡野鈴/映画好きな在宅ワーカー。40代になって最初の変化は、涙もろくなったこと。夫と2人の子どもと、3人暮らし。なんでもない平凡な1日が暮らせたら、それだけで感謝。
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
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