欲しがる本当の理由とは…?
「あ、それはね……」ともうすぐ処分するつもりなのだと説明しようとすると、Aはビニール袋をガサガサと開け始めたのです。え? 開けていいと言っていないのに勝手に開けるの……? と私が困惑していると、Aは気にする様子もなく「これとこれ、息子にぴったりなサイズだ!」と何枚か取り出し「もしよかったらくれない? 服が無くて困っているの。頼れる親戚とか兄弟とかいなくてさ〜」と言ってきます。私の息子よりAの息子くんのほうが小柄なため、確かに着られる服がいくつかありました。勝手に袋を開けられたことにモヤッとしていた私は悩みましたが、Aも大変なのだろうと思い譲ることに……。その後も自宅に遊びにくるたびに、くれくれと言ってきます。毎回遠慮なく言ってくる姿に押され、モヤッとした気持ちになりつつ断る理由もないため、結局いつも譲ることに……。Aはその都度「ありがとう! 助かるわ~」と言うので、私も喜んでくれるなら……と割り切っていました。
しかし数日経ったある日、別のママからフリマサイトに息子と同じ服が多数出されていると情報が入ったのです。そのママとは服の好みが似ていて、息子の服についてよく話していました。「かわいい服が出品されている!」と思って見ていると、息子と同じ服ばかりが出品されていたようなのです。半信半疑でフリマサイトを見てみると、Aに譲ったはずの服がずらり。引き渡し先は、私が住んでいるマンションのすぐ近くのスーパーでした。
真相を確かめるべく購入希望のメッセージを送ると、すぐに返事が。スーパーに向かうとやはり現れたのはAでした。「どういうつもり?」と問い詰めるはずでしたが、Aは「え? なに? もしかして私を騙したの?」「買うつもりないよね? 嘘つきじゃん」と自分が被害者であるかのような態度です。お下がりを欲しがった本当の理由がわかり、私はかける言葉を失っていました。すると、親が悪いことをしたとわかったのかは定かではありませんが、一緒に来ていたAの息子くんが「あのね……ごめんね」と言って頭を下げて私に謝ってきたのです。自分の息子が頭を下げたことでAはさすがに気まずかったのか、「もう帰るわ」と退散。
その後、あげた服のうち、まだサイトで売れていないものは返してもらい、今回の件は水に流すことにしました。Aと遊ぶことはなくなりましたが、マンションで会えばあいさつする程度の関係を続けています。
お下がりを譲ったりもらったりすることはよくあることですし、譲った物はもう私の物ではありません。しかし譲ってから転売が発覚するまでの期間はたった2週間ほどだったので、Aの息子が着ていたとも思えません。おそらく最初から転売目的だったのでしょう。そんな人がいるとは思っていなかったので、本当にびっくりです。今度から、譲る相手は信頼している友だちのみにしようと決めた出来事でした。
著者:谷口ひかり/30代・ライター。2歳の男の子を育てるアラサーママ。意思表示ができるようになった息子は地面に転がり今日も泣いている。初めての育児に奮闘中。毎日の楽しみは寝かしつけ後の晩酌。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
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