こんにちは、保育士の中田馨です。毎日赤ちゃんと過ごすのですから、赤ちゃんことを少しは知っておきたいものです。今回は、新生児赤ちゃんの特有の動き「原始反射」について説明します。
原始反射とは
新生児の赤ちゃんは、手足を曲げたりのばしたりしていますね。物音などにも反応して「ビクッ」と身体を動かすこともあります。新生児の赤ちゃんと初めて出会ったママはこの動きにビックリする方もいると思います。これは自分の意志や脳の指令で動いているのではなく、無意識に体が動いているのです。これから7つの原始反射をご紹介します。
1. 吸てつ反射
吸てつ反射とは、赤ちゃんの口の周りを指でツンツンすると強く吸おうとすることです。この吸てつ反射が生まれつき備わっているから、赤ちゃんは教えなくてもおっぱいが飲めるのです。おなかが空いていないときでも吸てつ反射は見られますので「おなかが空いた?」という目安にはしないことです。吸てつ反射は生後6カ月ごろから徐々に消失していきます。
2. モロー反射
モロー反射とは、オーストリアの小児科医エルンスト・モローが発見したものです。大きな音がしたとき、上体が傾いたとき、体をさわられたときなどに手を大きく広げます。これは大昔に人間が木の上で生活したときの名残ともいわれています。通常生後3~4カ月ごろを目安に消失します。
3. 手掌把握(しょうしゅうはあく)反射
手掌把握反射は手と足に見られます。手足のひらに触れるとギュッと握るのがこの手掌把握反射。これは人間がサルだったときの名残で、木から落ちないように、ママから落ちないようにするための反応といわれています。
4. 探索反射(乳探し反射・追いかけ反射)
口の周りなどに指が触れると、触れた方向に顔をむける反射です。これはおっぱいを探すための反射です。生まれてすぐにおっぱいが吸えるように備わっているのですね。通常生後4~6カ月ごろに消失します。
5. 歩行反射(足踏み反射)
赤ちゃんの両脇を支えて足の裏を床につけて立たせると、脚を右左と交互に出して、歩いているような動きをします。これは生後6~8週ごろに消失します。
6. 引き起こし反射
引き起こし反射とは、赤ちゃんが寝ている状態から両腕を持って、ゆっくり上体を起こすと、首がすわっていない赤ちゃんが頭を持ち上げようとする反射です。生後1カ月ごろに消失します。
7. 押し出し反射
押し出し反射とは舌に触れた固形物を押し出そうとする反射です。この反射が消失するころが離乳食開始の目安にもなります。生後5~6カ月ごろに消失します。
原始反射は、赤ちゃんの成長が順調であるかの目安になります。消失する時期も個人差があります。気になることがあれば、自己判断ではなく医師に相談しましょうね。