初孫でかわいくて仕方がない父母
父母にとってわが子は初孫で、かわいくて仕方がない様子です。会うたびに「これ食べるか?」と子どもたちにお菓子や食べ物を次々に与えてうれしそうにしていた両親。
ただ、毎回何かをもらえる状況が続くことは、子どもたちにとってあまり良くないのでは……と感じ、父母に一度きちんと話をする必要があると思っていました。
双子を実家に預けるときのお願い
ある日、子どもたちを実家に預けることになり、事前に「子どもたちが常に何かを食べている状況は胃にも負担がかかるし、夜ごはんを食べなくなるので、時間を決めてあげてほしい」と父母にお願いをしました。
とはいえ、子どもたちの面倒を見てもらう手前、こちらのお願いばかりを伝えるのは申し訳なく、私はそこまで強く言い切ることができませんでした。
用事を済ませ、実家に迎えに行くと…
そして、2時間ほど経って迎えに行くと、玄関から子どもたちの泣き声が聞こえてきたのです。慌てて部屋に入ると、双子たちはあお向けになり、足をばたつかせながら泣いていました。父母に訳を聞くと、「ママが出かけてから『お菓子はこれが最後だよ』と言ってあげていたんだけど……泣いて欲しがるから、その後も何度かあげちゃったんだよね」と疲れきった表情。
ふと双子たちを見ると涙は一滴も出ておらず、ウソ泣きをしていることに気がつきました。「あぁ……こうやってねだれば父母が根負けしてお菓子が出てくると学んでしまったのか」と、私は子どもたちの策略を察したのです。
たった数時間でしたが、父母の困った表情を見て、「70歳手前の両親が2歳の双子たちの世話をするのも限界があるよな……」と思い至った私。そのうえで、「多めのお菓子も毎日ではないのだから、実家に帰ったときくらいは少し目をつぶってもいいのかな」と考えを改めることにしたのです。その代わり、この出来事以降は家でのお菓子の回数を減らし、公園で遊ぶ時間を増やすことで調整しました。
「実家に帰ったときは食べてもいい」というルールを決めたことで父母にも安心して子どもたちを任せられるようになりました。その結果、父母や子どもたちが笑顔で過ごせる時間が増え、私も怒ることが減ったと思います。今のところこれでしばらく様子を見ていきますが、お菓子を与えすぎると食事に影響が出たり胃にも負担がかかるという点については、繰り返し伝えていくつもりです。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2021年1月)