「また来るからね」実現しないとわかって約束を交わした日 #預金資産ゼロの父が倒れた話 178
「預金資産ゼロの父が倒れた話」第178話。2児の母でありヲタクであるエェコさんによる、お父さんが倒れたときの話を描いたマンガを紹介します。
エェコさんのお父さんは脳の病気で倒れ、リハビリ院に入院。記憶力低下が顕著で預金も資産もない状態だったので、生活保護を申請して支給金を受けることに。
介護施設には要介護度の調査結果が出てから入所となり、いつまたお父さんの発作が起きないかと不安で胸が押しつぶされそうでした。その後、医師からもう回復は望めないと言われ、要介護度は4に。続けて「自然な最期を施設で迎える」形で良いかと確認され、エェコさんは電話口で震撼。しかし脳裏に浮かんだのは、「自然に死なせて」というお父さんの言葉でした。新型コロナ対策で面会謝絶が続く中、お父さんは食事もとれておらず、「覚悟が必要」とのこと。状況を鑑みて、施設が特別なはからいをしてくれることになり、防護服での面会が設定されました。また、念のため葬儀のことも調べたところ、最低40万円~が必要と判明し、泣く泣く直葬(宗教儀式はせず、親戚や知人の弔問を受けることなく火葬のみで葬ること)の9万円に決定。残っているお父さんの年金で払うことにし、市町村の援護課に手配を依頼したのでした。最後かもしれない面会前夜は一睡もできなかったエェコさん。施設では、防護服着用で15分のみ入室を許可されたのです。3カ月ぶりのお父さんはさらに痩せて起き上がれず、ゼリー状の水をやっと2口という容態。エェコさんは、本当に最期だと実感したのでした。
衰弱したお父さんを前に寄り添うしかできなかったエェコさん。そのときお父さんが、「あれ大丈夫か、ここの金は……」とつぶやいたのです。数カ月前には、そんなに心配ならもっと貯金をしておいてよ、と聞くたびにイヤな気持ちになったあの言葉。しかしこのときは愛おし過ぎて、涙があふれて止まらなくなりました。
お父さん、大丈夫だよ…








「大丈夫、みんな私がやっているから」「そうか、お前に任せていたら安心だ……」
これが最後の会話となりました。私はその後何も言えず、ビニール越しに父の手をさするのみ。
退室時にも、「また来るからね」としか声をかけられませんでした。その約束が守られることなんてない、とわかっていながら……。それが私の精一杯だったのです。
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お父さんと、おそらく最後の会話を交わすことができたエェコさん。内容がどんなことでも、わずか15分の防護服越しの面会でも、来られてよかったですね。守られることのない約束はつらいですが、お父さんの気がかりを取り除いて、少しでも安心させてあげられたのではと思います。
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