3歳の娘と葬儀に参列…私の不安
夫の実弟が不慮の事故で亡くなり、3歳の娘を連れて葬儀に参列することになりました。私は夫とともに悲しみ、夫に寄り添いながらも、娘が葬儀中に静かにしていてくれるかな……という大きな心配がありました。
きっと娘はまだ「生死」とは何かも、葬儀がどんなものかも理解できないはず。お葬式特有の雰囲気に娘が耐えられずかんしゃくを起こすことは、容易に想像できます。
私は夫に確認を取ったうえで、いざ娘が泣き出したときに退室しやすい席で参列することにしました。娘には「◯◯くんとバイバイするお別れ会に行くんだよ」と伝え、当日を迎えました。
パパの異変を感じた娘がとった行動
葬儀が始まり、娘がかんしゃくを起すのではと心配していたのですが、読経や喪主のあいさつなどの間じっと席に座ってくれていました。そして、最後のお別れで棺にお花を供える時間になったときのことです。
それまで私の手を握っていた娘が私の手をそっと放し、5mほど離れたところにいた夫のもとへ歩き始めました。すると夫に抱っこを求め、夫に自分の顔をくっつけ、寄り添うようにして一緒に献花をし始めたのです。
私は娘の行動にとても驚きました。なぜなら娘は非常にママっこで、自分からパパに抱っこを求める光景は日常でまず見ないからです。それにもかかわらず、葬儀の場で夫に寄り添った娘。静かに肩を落とす夫の様子を見て、何かを感じ取ったのかもしれません。
娘とともに献花していた夫は、悲嘆から柔和な表情に変化し、最後のお別れを終えられました。
あのとき夫にそっと寄り添った娘の姿は、今も脳裏に焼き付いています。その後も娘のやさしさや天真らんまんさに助けられ、夫は笑顔で生活できるようになったのでした。
著者:望月 柊/30代女性。2021年生まれの女の子のママ。教育・児童福祉に10数年携わる。イヤイヤ期真っ最中の娘と格闘しながら、今しか味わえない感動で毎日を彩っている。リフレッシュ方法は、推し活と読書。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)