七社神社とは
七社神社は、東京都北区にある神社です。1793年の火災により古文書、古記録等を焼失したため、詳細な創建時期はわかっていませんが、1794年(寛成六年)9月秋分の日に御社殿が再建されています。
その後、1868年に神仏分離がおこなわれ、翌2年後に一本杉神明宮の社地に遷座し、西ヶ原村の総鎮守として奉祀され、現在に至ります。
また、現在の一万円札の肖像になっている渋沢栄一が、1901年に七社神社の氏子(その地域に生まれた人や住む人を守る神様である氏神を信仰する人のこと)になっています。その後、1978年には渋沢栄一を含めた人々の寄付によって社務所が建築され、渋沢栄一が書いた社額や掛け軸などの奉納品が納められており、七社神社は渋沢栄一翁ゆかりの神社でもあります。
七社神社の見どころ
七社神社は、国と多くの神々を生んだ夫婦神である伊邪那岐命(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト)を祀っていることから、子宝・安産に御利益がある神社としても知られています。
神社の狛犬といえば、魔除けや神前守護の意味を持ち、威嚇しているような表情の雄々しい姿が印象的ですが、七社神社では「子守犬」と呼ばれる狛犬たちが御社殿前で参拝者を出迎えてくれます。
向かって左が雌、右が雄で、狛犬たちをよく見ると、それぞれがふところに子犬を守るように抱きながら鎮座しています。凛々しく子犬を守る夫婦の姿が愛らしく、訪れた人も思わず笑顔になりますね。
また、犬は安産の象徴でもあることから、抱かれている子犬の頭を撫でることでも安産のご利益にあずかるとも言われています。左の子犬を撫でると女の子、右の子犬を撫でると男の子の子宝に恵まれると伝えられているそうです。
※親犬・子犬を撫でる際は頭をやさしく撫でてあげてください。
七社神社の安産守は、桐箱とお守り、どちらにも子守犬のモチーフが描かれています。桐箱に入っているのは、安産守りのほか、人生儀礼年表(人生の節目となる年や儀式・祝いごとをまとめた表)も。また、出産後には桐箱へ赤ちゃんのへその緒を入れて保管することもできます。
七社神社でご祈祷
ご祈祷について
⚫︎安産祈願:一度の妊娠・出産でたくさんの子どもを産む犬(戌)にあやかり、安定期に入る妊娠5カ月目の最初に迎える戌の日にお詣りすることを「戌の日詣り」と言います。七社神社では、未使用の腹帯を持参すれば一緒にお祓いが可能です。
また、安産祈願を受けた方は、腹帯に付けられる『安産布』がもらえます。安産布も安産守と同じ「子守犬」のデザインです。
⚫︎初宮詣:赤ちゃんが生後1カ月を迎えたことを神様にご報告するとともに、感謝を伝えます。
七社神社では初宮詣の記念品として、生後百日目におこなう「お食い初め」の際に使う『歯固め石』が渡されます。使い終わった歯固めの石は、七社神社境内にある「歯固め石納所」に納めましょう。
また、初宮詣の記念品には、七社神社のオリジナル・子守犬のラトルも含まれています。
⚫︎七五三詣:子どもの成長に感謝し、健やかな成長を祈ってお詣りをします。3歳は剃っていた髪を伸ばし始める「髪置」と呼ばれる男女とものお祝い、5歳は初めて袴を身に付ける男の子の「袴着」、7歳は子ども用の着物から大人の着物に替える女の子の「紐解」のお祝いとされています。
七社神社では、11月上旬~中旬の土日は予約なしでもご祈祷してもらうことができますが、状況によっては待つ場合があるため、お参りの日にちが決まったら事前に予約することが推奨されています。そのほかの日程を予定している人は、参拝の申し込みが必要です。
⚫︎ランドセル祓:入学後に使うランドセルを持参すると、登下校の無事安全や学業成就などをご祈祷してもらえます。御祈願の記念品には、ランドセルに付けられる『道中安全守』がもらえます。こちらも、七社神社の子守犬のデザインです。
妊娠・出産・子育てにまつわる授与品
七社神社の授与品には、安産のお守りのほか、子授守、子宝夫婦守、子授け こま犬 守り、子授け石棒などがあります。
子宝夫婦守には、「うむ」「しげる」という訓読みがある「孳」の漢字が描かれています。この字には、子どもを産んで子孫を増やすという意味があり、子宝に恵まれるよう祈念されているそうです。
「子授け石棒」は東京都北区にある西ヶ原貝塚から出土した縄文時代後期の石棒を模して奉製されたものです。石棒とは男性を象徴した縄文時代の石器で、子孫繁栄を祈る祭具と考えられています。
「子授け石棒」は子宝祈願(祈願料1万円以上のお納め)の授与品にもなっています。
カメラマンの撮影について
ご祈願を希望する家族の撮影を目的とした出張カメラマンの同行は可能です。その際、下記の注意事項を守ってください。
・ご祈願の申込の際に事前の申告が必要です。
・当日カメラマンが来社した際には、社務所に声をかけてください(許可証を配布)。
・拝殿内、控室での撮影はできません。
・カメラマンは駐車場を利用できません。
・境内で撮影する際には、他の参拝者に支障のない範囲での撮影をお願いします。
また、七社神社は提携している写真館が2カ所あり、七五三の思い出をプロのカメラマンに撮影してもらうことができます。
⚫︎写真館 日曜舎
衣装、着付、写真撮影がセットになった七五三プランがあります。
⚫︎笑顔写真館
七社神社提携のプロカメラマンが、境内で七五三のロケーションフォトを撮影するプランがあります。
写真館 日曜舎、笑顔写真館のどちらを利用する場合も、各写真館で撮影(お参り)日時を決めて予約が必要です。
※七五三の御祈祷予約は写真館がおこなうため、参拝者自身での神社への御祈祷予約は不要です。
七社神社の基本情報
⚫︎住所:東京都北区西ヶ原2-11-1
⚫︎アクセス:
【電車】東京メトロ 南北線 西ヶ原駅 2番出口より徒歩2分、JR京浜東北線 上中里駅・王子駅より徒歩10分、都電荒川線 飛鳥山駅より徒歩5分
⚫︎駐車場:あり(3台)※満車の場合は境内の開いているスペースに停車
⚫︎ご祈願の受付時間:9:30~16:00
⚫︎予約方法:電話(9:30~16:00)・予約フォーム(24時間)で予約可能です。
※予約フォームは希望日の2日前まで利用可能。前日・当日は電話でのみ予約可能です。
⚫︎授乳・おむつ替え:なし※社務所にあいている部屋がある場合は相談のうえ、利用可能。
⚫︎公式サイト
※神社は、子授け祈願や安産祈願をはじめ、お宮詣り、七五三など、家族や子どもの成長を祝う行事など、さまざまな機会で訪れる場所です。参拝の際には、手水(てみず)で手や口を清める方法や神社内での振る舞いなど、「神社でのマナー」も学んでおくといいでしょう。また、境内には段差や入ってはいけない場所があります。お詣りに行った際には、子どもから目を離さないようにしましょう。
※本記事の内容は、2025年4月17日時点の情報をもとに作成しております。ご祈祷受付時間、授与品などは変更される可能性があるので、お詣りの際は必ず最新の情報をご確認ください。