合コンに無理やり参加させられて
同僚たちから「彼女いない歴=年齢」とからかわれ、「そんなお前に女性を紹介してやる」と合コンに誘われました。「彼女いない歴=年齢」は、このときは本当でしたが、特に彼女がいないからといって困ったことはなく……。「余計なお世話」というのが本音でしたが、強引に誘われ仕方なく参加することに。
同僚たちは、取引先の会社の女性社員と約束を取り付けたよう。同僚たちの中で「めっちゃ雰囲気がいい」と話題になっていたA子もくると言います。彼女とは、仕事で直接かかわりがあったわけではないものの、取引先へ行った際に何度か顔を合わせており、面識はありました。
罰ゲームで誰かに告白
僕に「女性を紹介してやる」と言っていた同僚たちでしたが、それは建前で、本音は合コンで僕を引き立て役にしたかったのだと思います。しかし、意外にも(?)合コンは盛り上がり、同僚たちは僕のことなど忘れ、女性たちへのアピールに夢中。A子にもグイグイ迫っていました。僕もA子と少し会話をしましたが、同僚が「そんな陰キャにやさしくしたら、勘違いされるよ?w」と、半ば強引に自分との会話に持っていってしまいました。僕としては乗り気ではなかったため、「ご自由にどうぞ」という感じでした。
そんなこんなで合コンはお開きの時間に。すると同僚のひとりが「最後に王様ゲームをやろう」と言い始めました。そして同僚は自分が王様になるようにし、「2番の人が男性に告白~!」とA子が罰ゲームをするように仕向けたのです。A子ともっとお近づきになりたかったのでしょうが、正直あくどいやり方だなと感じました。
冷ややかにその場でのことを見ていると、A子は……なんと僕に告白してきたのです。
何で僕!?という驚きと共に、冗談での告白のはずなのに彼女の表情は真剣そのもので、顔を真っ赤にしている様子に、僕はうろたえてしまいました。すると周囲は「もしかして本気にしてます?w」「ウケるwさすが『彼女いない歴=年齢』の男w」「A子ちゃんがお前を好きになるわけなんかねえだろw」と大爆笑。
そう、これは冗談。一瞬でも「本気かも?」なんて思ってしまった自分がバカでした。彼女の言葉に「とても……好感が持てました」とだけ伝え帰ろうとすると、彼女は「私も一緒に……」と、なんと同じ電車で帰ることになったのでした。
2人で並んで電車に乗っていると、「告白するのは初めてで……あの、これからよろしくお願いします!」と彼女。冗談の告白なのに、設定を最後まで貫き通そうとするなんて、とても真面目な人なんだな……と思っていると、彼女は続けて「私とデートしてください!」と言いました。
本当にデートしてみたら
ゲームの一環での冗談の告白なのに、デート? 「まさか、さっきの告白は本気で?」と、彼女と別れたあとも、彼女の言葉で頭がいっぱいになってしまいました。その後、なんと彼女から「予定はどうするか」などの連絡が届き……本当にデートをすることになったのです。
初デートは映画でした。映画を見終わったあと、一緒に感想を語り合う時間がとても楽しく……なんと僕たちはデートを重ねるようになったのです。映画を観て、食事をして、他愛もない会話を交わす。それだけなのに、不思議なくらい楽しくて、気がつけば彼女といることに安心感を覚えていました。
でも、そんなときに……。
うれしいはずなのに…
僕の海外転勤が決まったのです。僕が勤める会社で海外転勤は出世コースに乗れたことを意味していて、僕もずっと希望していました。しかし、海外へ行くとなると、彼女とは会えなくなってしまいます。うれしいはずなのに、とても寂しい……正直、複雑な思いでした。
ただ、「あのときの告白は本気なのかも」というのは、僕が勝手に感じてしまっていたこと。彼女が僕に本気で好意を持ってくれているのか、なんて確認するのもおこがましいと思い、商談で彼女が勤める会社へ行った際、社内で会った彼女に、僕は海外転勤が決まったことを話しました。そして「もうこの関係は終わりにしましょう」ということも。
すると彼女からは思わぬ言葉が返ってきました。なんと「ついていっちゃダメですか?」と言うのです。
その言葉に戸惑いと共に、胸が苦しくなりました。そのときは何も言葉を返すことができずにいたのですが……。
会社に戻った際、同僚たちが僕と彼女のことを話しているのを耳にしてしまいました。そして、その会話から、彼女が本気で僕のことを想っていてくれたことを知ったのです。軽い気持ちの告白ではなく、ずっと積み重ねてきた思いだったのだと知り、僕は居ても立ってもいられなくなりました。
そして僕は気づけば彼女が勤める会社へ向かっていました。ちょうど会社から出てきた彼女を呼び止め、僕は正直な思いを伝えました。
「あなたの告白、本気かも?と思ってしまったこともあったけれど、『でも冗談だし…』と思っていました。でも、あなたとの時間はとても楽しくて、好きになってしまいました」
すると彼女は安心したように笑って、仕事で僕を見かけてからずっと思い続けてくれた胸の内を明かしてくれました。そして「本当に、海外についてきてくれるんですか?」と聞くと、彼女は「そのつもりで、辞表を準備しようと思っていました」と笑って……。
こうして僕たちは恋人となり、僕の海外転勤に彼女もついてきてくれることになりました。乗り気でなかった合コン、冷ややかな目で見ていたゲームでの告白から、まさかこんなふうな結末になるなんて。これからしばらく、彼女と海外で過ごすことになります。彼女と過ごす日々を大切にしたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!