「なんで怒ってるの?」自分でもわからなかった
夕飯を作っている途中、子どもがコップを倒しました。そんなに怒ることでもなかったのに、「また!?」と声を荒げ、挙げ句の果てに包丁を持ちながら、ぼろぼろ泣いてしまいました。「こんなことで怒るなんて……」と自分でも戸惑いました。気持ちが勝手に波立ち、どうにもできなくて、イライラと自己嫌悪のループに入りました。
もともと、多少のことは気にしないほうだと思っていましたが、思い返すとずっと「ちゃんとしなきゃ」「母親なんだから」が自分の中にあったように思います。それが積もり積もって、あるとき一気にあふれてしまいました。今思えば、あれが更年期の始まりだと思いました。
「やらない」を決めるだけ
ある日、婦人科を受診した帰り道、私はぼんやりと考えていました。「先生が言っていた『頑張り過ぎてない?』という言葉。もしかしたら、本当にそうかもしれない」と。
数日前に読んだ『反応しない練習』という本で、“反芻(はんすう)思考”という言葉に出合いました。過ぎた出来事や人のひと言を、何度も思い返してしまうのは、まさに私のことでした。頭では「気にしないでおこう」と思っても、気持ちがついてこない日々が続きました。
では、せめて今すぐやらなくてもいいことは、やらないことにしてみよう。そう思ったのがきっかけでした。例えば、夕飯を一品減らす、洗濯は翌朝回すことにする、子どものプリントは明日見ればいい、というように、“やらない”を少しずつ増やしていったら、ピンと張っていた心の糸が緩むような感じがしました。
手を抜いたら怒られると思っていたけれど…
「お総菜の日があってもいいか」と思って買って帰った唐揚げを、子どもたちは「今日ごちそうじゃん!」と喜んで食べてくれました。また、「掃除できなかった」と落ち込んでいた日も、夫に「別に気にしないよ」と言われて、なんだか拍子抜けしたような気持ちになりました。自分が勝手に「ちゃんとしなきゃ」と思い込んで決めていたようです。
正直、今でも「やっぱりやったほうがいいかな」と手を出してしまう日もあります。でも、感情の波が来ているなと思った日は、「今日は無理。やらない」と決めるようにしています。
それだけで、気持ちのざわつきが少し落ち着くこともありますし、何より、自分を責める時間が減ったように感じます。「ちゃんとできない自分」も、それはそれでいいのではないか。ようやく、そう思えるようになってきました。
まとめ
更年期の波は、思っていたよりも静かに、でもたしかにやってきました。それに気付くまでずいぶんと遠回りしましたが、「やらないことを決める」ことで、自分の心にも少し余白が生まれました。完璧じゃなくていい。頑張れない日があっても、それも自分。そう思えるようになってから、呼吸がしやすくなったように思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:伊達敦子/50代女性。2008年、2010年、2012年生まれの3児の母。フルタイムで共働きをしながら子育て中。会社員の傍ら、化粧品検定2級・1級やコスメコンシェルジュの資格を取得し、人々の美しさと自信を引き出すために活動している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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