大きなおなかで働くのがきつい
私は妊娠7カ月のころ、アパレルショップでアルバイトをしていました。おなかも大きくなり、体調の波もあったため、社員さんからは「高所作業や重い荷物はしなくていいよ」と配慮してもらい、椅子に座ってできる軽作業などを中心に任されていました。もちろん、迷惑をかけたくないという思いもあり、自分にできる範囲で精一杯取り組んでいたのですが……。
ドア越しに聞こえてきた言葉
休憩時間になり休憩室へ向かったとき、ドアの向こうからパートスタッフの女性たちの声が聞こえてきました。
「私たちが妊娠してたときは、仕事なんて選べなかったのにね」
「あの人ができないって言うから、全部こっちがやってるのよ」
私はとてもショックを受けました。明らかに私のことを指している陰口だったからです。
表ではやさしい言葉、でも裏では…
その後もパートの女性たちは表面上は変わらず、「無理しないでね」「赤ちゃん第一で大丈夫だよ」とやさしい声をかけてくれました。でも、聞いてしまった陰口がどうしても耳から離れず、言葉の裏側にある本音を想像してしまい、不信感が拭えませんでした。
そんなモヤモヤした気持ちのまま、次の日も出勤した私。すると、開店前の朝礼で、突然店長から「最近、社内で働く人への陰口が聞こえてきています。休憩室での会話にも気をつけてください」という話があったのです。
私は店長に何も言っていなかったので驚いたものの、パートの女性たちは思い当たる節があるのか、朝礼中バツが悪そうにしていました。店長からのひと言のおかげで、それ以降は陰口を耳にすることはなくなりました。
陰口を聞くのはつらい経験でしたが、その背景には、私が妊婦として配慮を受け、周囲が負担を引き受けてくれていた事実も改めて意識しました。きっかけは陰口でしたが、人の支えを意識できたことは、妊娠期の大きな学びです。支えてくれた職場の人たちへの感謝を忘れず、いつか私も、妊婦さんなど配慮を必要とする人を支える側に回りたいと思います。
著者:野中 まゆ/30代女性/2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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