リビングで料理!?
最初は、新婚当初の正月準備をしているときのことです。義母はかまぼこと包丁、まな板をリビングのテーブルに持って行き、テレビをつけて椅子に正座し、そのままかまぼこを切り始めました。私は「料理は立ってするもの」と思い込んでいたので、リビングでテレビを観ながら作業をする様子に驚いたのを覚えています。
次に驚いたのは、夫が冷蔵庫に入れておいたキムチを義母がきれいに洗い流してしまったときです。夫が「キムチが見当たらない」と探していると、義母は「ぬか漬けと同じようにして食べるものだと思った」と言って、真っ白になるまで洗っていたのです。
紛失騒ぎも……
さらに、義母が義父に買ってもらったサファイアの指輪をサイズ直しせずにブカブカのまま使っていたところ、外食先のレストランでトイレに落としてしまい、気づかずに流してしまったという話もありました。義父には内緒にしてほしいと頼まれたそうです。
また、義父が就寝時に入れ歯をティッシュペーパーに包み、枕元に置いていたのを義母がゴミと勘違いして捨ててしまい、怒られたあげく収集車を追いかけたものの間に合わず、集積所まで探しに行ったこともありました。それでも入れ歯は見つからなかったそうです。
老いとともに見られた変化
義母が70歳を過ぎたころには、キッチンのテーブルに置いてあったお線香の箱を開けて、中身をそのまま食べてしまったこともあります。私は慌てて義母の手からお線香を取りあげましたが、今振り返ると、あれが認知症の始まりだったのかもしれません。
まとめ
こんなふうに、義母の行動には驚かされることも多かったのですが、そのたびに学ぶことがありました。義母を在宅で介護してもう20年になります。5年前からは寝たきりの状態ですが、もうすぐ100歳を迎えようとしています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:万座りん/70代女性・主婦。
イラスト:おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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