あれから半年…
私と娘の前から夫が何の前触れも説明もなく消えたあの日。残されたのは離婚届と混乱、そして空っぽの生活でした。娘は何度も父親に電話をし、メッセージを送り続けました。しかし、返信はゼロ。
「パパ、どこに行っちゃったの……? どうして?」
私もどん底に落とされた気持ちでしたが、それでも仕事を始めました。娘を守り、食べていくためです。なぜなら彼は、現金どころか銀行口座の貯金まで、すべてを持っていってしまったからです。
もともと趣味でエッセイ漫画を投稿していたのですが、夫に捨てられた事実をのみ込んでからは無我夢中で働き、いろいろな縁にも恵まれて、今ではイラストレーターとして生計を立てています。
ところが、あの悪夢の日々から半年がたったころ……。行方不明だった元夫が、突然娘に連絡をしてきたのです。
今さらだよね
震える手で娘が私に見せてくれたメッセージは、「ママとお前には本当に迷惑をかけたと思っている」という文面から始まっており、こんなことが書いてありました。
「パパがひどいことしてごめんな」
「ママにも謝るから」
「ママはもういないよ」
「え?」
「これからそっちに行ってもいいかな? 話したいことがあって……」と言われ、私は娘と相談してひとまず私が不在だという返事を書くことに。
仕事の打ち合わせと会食があって帰りは深夜、ということを伝えると、元夫は驚がくした様子。「仕事? 会食ってなんだ? だってママはただの専業主婦だぞ。俺がいなきゃ、生活費にも困るだろ?」
娘は無言で返信を書きました。「この半年で状況がいろいろと変わったんだよ。ママはバリバリ仕事をしているし、私たちはタワマンに引っ越してお金にも困っていない。もうパパは戻ってこなくていいよ」
まさにどんでん返し
その直後、今度は私のスマホに彼から鬼電が。しばらく放置した後に出てみると……。「今まで連絡できず悪かった。でも事情があったんだ、どうか話を聞いてほしい……。再婚しよう!」と言うのです。
私は冷たく言いました。「事情って、不倫して駆け落ちしたのよね。まだバレていないとでも?」
そう。私はこの半年間で調べ上げていました。彼が離婚届を残し、貯金とともに音信不通になったその理由を。おまけにその不倫相手にさんざん貢いで借金までしていたこと、その相手が何と詐欺師だったことも調査済みです。想像するのもたやすいですが、あり金が尽きて家に戻ろうとしたのでしょう。
「あんたみたいなサイテー男、もう不要ですから。私は好きな仕事でしっかり生計を立てている。借金まみれの元夫に未練はありません」
「い、いや、……ま、待ってくれ……違うんだぁ!」
言い訳ばかりの元夫の連絡は無視して、後は弁護士に一任。言いたいことは言えたので満足です。また、ずうずうしくも再構築を望んできたので、この際、養育費と慰謝料を払わせることにしました。今後は私だけでも娘にたくさん愛情を与え、今の生活に感謝を忘れずに生きていこうと思います。
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裏切られた痛みは大きかったけれど、言いたいことを言えてスッキリですね! 元妻・娘の権利としての慰謝料・養育費の請求も当然です。自立した女性は強いですね。母としてキャリアウーマンとして、これからも頑張ってほしいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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