娘をかわいがってくれる、実家の家族たち。それに反し、夫といったら、育児に興味を持っていたのは、産後数日まで。すぐに飽きてしまい、全然協力してくれなくなってしまいました。もちろん、家事もまったくしません。私はワンオペに苦しんでいます。
そんな生活が続き、娘が生後半年になったころから、夫は厄介な行動をとるようにもなりました。なんと会社の人たちやSNSに、イクメンっぷりをアピールし出したのです。もちろん、イクメンなんて真っ赤なウソですが……。
エスカレートする夫の言動
ある日、夫の同僚たちが忘れ物を家まで届けてくれたのですが、夫はそのときだけ娘を抱いて出迎え、同僚たちから「いいパパだね〜」と褒められていました。「今は男も育児する時代だ」と偉そうに言っている夫を見て、あきれてものが言えませんでした。
夫はウソをついて、会社の人たちからチヤホヤされているようです。女性社員からの人気も高くなり、人生初のモテ期がきたと浮かれていました。
そんな夫は、調子に乗って、同じマンションの奥さんたちにもアピールしているようです。さらに、夫は「嫁は何もやっていない」と余計なひと言までつけてイクメンアピールに必死。
しかし、私が娘をおんぶしてゴミを出したり、娘を連れて買い物に行ったりしているところを見ている、同じマンションの奥さんたちは騙されません。会社の人たちは家での夫を知らないので、夫の言うことをすっかり信じているようですが……。
それから、夫の行動は日に日にエスカレートしていきました。やってもいない育児をさもやったかのように写真に撮って、SNSに投稿するのです。私が娘をお風呂に入れ、やっと着替えさせたところで、ひょっこりやってきて私の腕から娘を奪い取り、「お風呂とおむつ完了!」なんて言いながら、娘を抱いて自撮りする夫。やったこともないのに、見ていてあきれます。
私はSNSに興味がなく、やっていないので、夫が実際どのように投稿しているのかわかりません。一体、こんなことをして何の意味があるのでしょう。チヤホヤされるのがそんなにうれしいのでしょうか……とても不思議です。
思わぬ仕打ちを受けた私は…
そんな夫ですが、最近やけに飲み会が多くなりました。会社の付き合いだと言いますが、かなり疑わしいです。そんなある日、夫の同僚の女性が私を訪ねてわが家にやってきました。そして彼女は、私に離婚を求めてきたのです。
彼女は夫の言うことを丸ごと信じており、「家事や育児を一切しない奥さんは彼の負担になっている。離婚してあげてください」と言ってきました。
突然のことに私があ然としていると、娘が泣き始めたため、私は仕方なく彼女を家に上げ、おむつ替えをする間、座って待っていてもらうことに。手際よくおむつを替え、娘をあやす私を見て、彼女はとても驚いていました。
夫から聞いていた話では、私は家事も育児もまったくしない不出来な嫁。しかし、私が慣れた手つきで娘の世話をするため、彼女は「え……?」と不思議そうな表情をしていました。私が家での夫の言動を話すと、夫が言っていたことがウソだとわかって、うろたえ始めた彼女。
「これを信じてしまっていて……すみません」
夫のSNSを私に見せて、彼女は謝罪し始めました。彼女が見せてくれた夫の投稿には、娘を抱っこする自撮り写真に、『嫁は専業主婦なのに何もしません!』という一文が。
私は彼女の謝罪を受け入れ、よくよく話を聞いたところ、彼女は不倫相手ではありませんでした。夫との関係を後輩の女性社員から相談され、一肌脱ごうとやってきたと言います。私は、夫をギャフンと言わせるため、彼女に協力してもらうことにしたのです。
協力者は多いほうがいいと思った私は、実家の家族たちにも集合をかけ、作戦会議を開きました。事情を知った家族たちは、夫に怒り心頭。私の考えに賛同してくれました。
そして、作戦の決行日。
娘にごはんを食べさせようとしていた私の手から、娘のごはんを奪い、ベビーチェアに座る娘をバックに自撮りする夫。ちらっと夫のスマホをのぞくと、『娘のごはん! 喜んでくれるかな?』と自分が作ったかのような文章。
そのとき、インターホンが鳴って来客が……いよいよ作戦決行です!
大ウソつきには天罰を!
わが家を訪ねてきたのは、私の家族たちとその友人たち、そして夫の会社の同僚たち。みんな子どもや孫がいる男性です。夫のSNSを見て、ぜひ『男の育児』を見て勉強したいとわが家にやってきたのです。私の家族が自分の友人たちに声をかけ、わが家に突撃してきた夫の同僚女性に、同僚の男性陣に声をかけてもらいました。
夫はやってきた人たちを見て困惑し、さらに理由を知って固まってしまいました。実際には、おむつ替えすらやったことがないので、もちろん散々な結果に。
夫の手つきを見て、眉をひそめる男性陣。冷たい視線を送られ、ますます挙動不審になる夫。みなさん、育児をしている方たちばかりなので、おむつの替え方くらい知っています。最終的には、夫の抱き方やあやし方にダメ出しをしていました。
終始オドオドしていた夫でしたが、最後は泣いて謝る事態に。ウソをついていたことがバレて、絶体絶命の夫。絶望したような表情をしていましたが、私の仕返しはまだ終わっていません。
再びインターホンが鳴り、今度は、わが家に突撃してきた夫の同僚女性が、夫の不倫相手(彼女の後輩)を連れてやってきました。
彼女の大事な後輩をだまして、誘惑したのは夫。悪いのは夫ですが、彼女は、夫が妻子ある身と知っていながら関係を持った後輩も悪いと考え、わが家に突撃した日のあと、後輩に真実をすべて話し、不倫をやめて、私に誠心誠意謝罪するよう説得し、わが家に連れてきてくれたのです。
なんとか言い逃れようとしていた夫でしたが、不倫相手が素直に不倫を認め、私に謝罪してきたので観念したようです。私はその場で夫に離婚を告げました。
その後、弁護士を通して話し合い、無地に離婚が成立。私は夫から慰謝料と養育費を受け取れることになりました。離婚後、私は実家に戻り、仕事にも復帰して、幸せな毎日を過ごしています。家事に育児に仕事に、奮闘できているのは、家族のおかげです。
◇ ◇ ◇
家事や育児を「少し手伝った程度」でイクメン気取りになる夫も問題ですが、今回の夫は、まったくやらずに「やった」と嘘をつき、SNSに投稿するだけでなく、妻を悪く言うなど、言語道断です。さらに不貞行為までしていたとは、到底許せるものではありません。ワンオペで頑張っている妻の姿を側で見ていて、どうしてそのような無神経なことができたのか不思議でたまりませんね。自分のことしか考えていない夫と、すんなり別れられたことは幸いでした。これからは協力してくれる家族と力を合わせて大変な育児を乗り切り、幸せになってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。