どうやら最近、偶然SNSで元カノのアカウントを見つけたらしく、いろいろと思い出してしまったようです。でも、言っていいことと悪いことがありますよね。
元カノは彼を振ったあと、すぐに別の人と結婚したそうです。社長の息子である自分には将来性があるし、元カノの夫よりも自分のほうが優れている――彼はそう思っているようで、どうやらまだ未練がありそうです。
結婚式前日に…突然の婚約破棄
いよいよ明日は結婚式、という日。突然、婚約を破棄されました。理由は、例の元カノが離婚したことを知った彼が「彼女と再婚する」と言い出したからです。式の前日に中止を決めるなんて、両親にどう説明すればいいのか頭を抱えました。
ところが彼は、「式自体は中止にしない」と言うのです。なんと、新婦だけを差し替えるつもりだと……。あまりにも非常識な発言に、言葉を失いました。彼いわく、「看板や装飾を少し変えれば問題ないし、あなたの親族が来なければ何の支障もない」とのこと。たしかに、小規模だけど華やかな式を企画しており、招待客も身内だけなので体裁は整うかもしれませんが……(私の親族にはすぐにキャンセルの旨を伝えました)。
ここまで自分本位な人だったなんて、本当にあきれました。彼から婚約破棄を言い渡された直後、偶然にも、義母になるはずだった彼のお母さんから連絡がありました。
「明日の結婚式楽しみにしているわ!」
「どんなドレスかしら♪」
残念ながら、私のドレス姿を披露することは叶わなくなりました。そして、正直に事情を話すことにしたのです。
「式には元カノが出るそうです」
「え?」
事情を知った彼のお母さんは、電話の向こうで何度も私に謝ってくれました。彼のご両親は、息子の非常識な振る舞いに憤りを感じていて、「私たち夫婦はあなたのことを本当に大切に思っている」と何度も伝えてくれました。私も、お二人のことが大好きだっただけに、こんな形になってしまったことが本当に残念で……悲しく思っています。
元カノはどんな人!?彼のお母さんは…
彼のご両親は、元カノのことをよく思っていないようです。かつて交際していたときに何度か会ったそうなのですが、そのときのマナーや態度があまり良いとはいえず、嫌悪感を抱いたとのこと。また、彼がかなりの金額を貢がされていたこともあり、なおさら快く思えなかったようです。だからこそ、「元カノと結婚するなんて信じられない」と憤り、「許せない!」と強い口調で話していました。なので、彼のお母さんにすべてを託すことにしました。
彼から「新婦変更」の連絡が入ったとき、彼のお母さんはきっぱりと結婚式の中止を伝えたそうです。「結婚式代はこちらがほぼ出しているけど、私は元カノのためにお金を出したわけじゃない。キャンセルになって無駄になったほうがマシ」と……。
元カノにすっかり夢中になっている彼。かつて彼女が、ほかの男性に乗り換えるために自分を捨てたことなど、すっかり忘れてしまっているようです。彼女は、私という婚約者がいると知りながら、それでも結婚式に出席しようとしている――そんな非常識な女性です。「そんな人物を身内として迎えるなんて、私たち親族は絶対に認めません」彼の母親は、そうきっぱりと言い切っていました。
そして、恥知らずなのは息子である彼も同じだと彼のお母さんは言いました。「もう息子とは思わない。二度と私たち親の前に顔を見せないでほしい」と、絶縁宣言をしたそうです。もちろん、そうなれば彼は父親の会社からも解雇されることになります。実のところ、彼はどこにも就職できず、仕方なく父親が自分の会社に入社させただけなのだとか。そんな事情も知らず、自分は“次期社長”だと偉そうな態度をとっていた彼……思い出すたび、あきれるやら笑えるやら、なんとも言えない気持ちになります。
式前日に裏切った元婚約者の末路は
結局、式場はキャンセル。式の費用については彼のご両親が彼本人に請求することになったそうです。
そして翌日、彼から連絡がありました。なんと、元カノに逃げられたのだとか。再婚する気満々だったはずなのに、両親に縁を切られ、会社を解雇されたと伝えたところ、元カノの態度が急変。「ニートには用はない」と言われ、音信不通になったそうです。ようやく彼も、自分が利用されていたことに気づいたようでした。
でも――今さら謝られても、どうにもなりません。「やっぱり君が一番だった」とか「やり直したい」と言われても、もう心は戻りません。「君と結婚式を挙げるなら、両親もまたお金を出してくれるはず」「自分も会社に戻れるかもしれない」という彼の主張にあきれるばかりです。
私は、彼に慰謝料を請求しました。その後、彼のお父さんが部下の方を紹介してくださって、最近はその方と食事に出かけています。いろいろありましたが、今を楽しみたいと思っています。
◇ ◇ ◇
ずいぶんと自分勝手な彼。その言動にはあきれてしまいますね。ですが、婚約前に“彼という人がどんな人か”を知ることができて、ある意味よかったのかもしれません。次こそは、笑顔で幸せな結婚式を挙げてほしいですね。
【取材時期:2025年4月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。