記事サムネイル画像

妊娠中のむくみや産後の尿漏れetc、つらいマイナートラブルの対処法!

この記事では妊娠中のマイナートラブルについて、専門家監修のもと解説します。妊娠中にはつわりをはじめとして、さまざまな体の不調を体験する人が多いと思います。治療が必要となるメジャートラブルと違い、つらくてもなかなか解決の糸口がつかめないこともあり、悩んでしまう妊婦さんも多いのがマイナートラブルです。

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
18 クリップ

妊娠のイメージ

 

妊娠のよろこびは束の間、すぐに襲ってくるつわりにとても苦労したという事例はよく耳にすることです。つわりに代表されるマイナートラブルの数々は、人によってさまざまな症状となって出現します。これから起こるマイナートラブルがわかれば、一段上手の対策がとれます。マイナートラブルとは何なのか、マイナートラブルはどんなものがあるのか、妊娠の時期別に起こりやすいマイナートラブルの内容とその対処法について説明します。

 

マイナートラブルとは?

妊娠中にはつわりをはじめとして、さまざまな体の不調を体験する人が多いと思います。不快な症状でも治療の必要がないものをマイナートラブルと言います。治療が必要となるメジャートラブルと違い、つらくてもなかなか解決の糸口がつかめないこともあり、悩んでしまう妊婦さんも多いのがマイナートラブルです。

 

マイナートラブルは、妊娠経過に伴うホルモンバランスの変化、大きくなる子宮の影響や体重の増加などの影響が主な原因と言われています。

 

妊娠初期(妊娠2カ月頃~妊娠4カ月頃)の主なマイナートラブル

●つわり
<原因>
 ・妊娠に伴うホルモン分泌が影響しているとされる
<対処法>
 ・空腹を避け、糖質補給。食べたいものを食べたいときに食べる
 ・安静
 ・気分転換
 ・家事や仕事で無理をしない

 

つわりの原因はまだ明らかにされていません。hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の上昇と対応しているため、ホルモンが関与しているともいわれています。胎児を異物として認識した生体反応である、心理的、社会的な要因によるもの、などという考え方もあります。

 

●頻尿
<原因>
 ・増大した子宮が膀胱を圧迫するため
<対処法>
 ・膀胱炎を防ぐためにも我慢せずトイレに行く

 

利尿効果のあるカフェインを控えたり、夜間の頻尿により寝不足になる場合には就寝前の水分を控えます。冷えに注意し、血行を改善するのも効果があります。

 

●便秘
<原因>
 ・黄体ホルモンによって消化器官の動きが鈍るため
 ・つわりによる食事や水分摂取量の減少
 ・運動不足
<対処法>
 ・朝の決まった時間に排泄ができるように生活リズムを見直す
 ・適度な運動
 ・十分な水分と食物繊維の摂取
 ・下剤の使用は医師の指示のもと、処方された薬を服用する

 

●倦怠感
<原因>
 ・黄体ホルモンが体を安静にさせようとする作用が、だるく眠たくさせるため
<対処法>
 ・無理をせず、休めるときは休む

 

まだお腹も目立たない時期ですが、周囲の理解を得られるよう努めましょう。

 

妊娠中期(妊娠5カ月頃~妊娠7カ月頃)の主なマイナートラブル

●皮膚の掻痒感
<原因>
 ・ホルモンバランスの変化
 ・皮膚の乾燥
<対処法>
 ・皮膚を清潔に保つ
 ・衣服は天然素材でしめつけ・刺激の少ないものを選ぶ
 ・保湿剤を用いる
 ・痒みがひどい際には皮膚科を受診する

 

●妊娠線
<原因>
 ・皮膚の急激な伸展による
<対処法>
 ・急激な体重増加に気をつける
 ・保湿

 

急激に子宮が大きくなるなどして、皮膚の伸びが追いつかず、皮膚の下にある皮下組織が断裂すると毛細血管が透けて見え赤褐色の筋となってみえます。胸や太ももなどに現れることもあります。なかなか消えないものなので、保湿でケアしましょう。

 

妊娠後期(妊娠8カ月頃~妊娠10カ月頃)の主なマイナートラブル

●腰背部痛
<原因>
 ・ホルモン分泌の変化
 ・お腹が重たくなり、重心が前方に寄ることで骨盤や腰椎が傾くため
<対処法>
 ・正しい姿勢を保つ
 ・妊婦体操
 ・2~3cmの低めのヒール靴を履く
 ・妊婦用ガードルの着用
 ・休息
 ・背中のマッサージ
 ・温める

 

眠るときが特につらい際には、硬めの布団やマットレスに変えてみるのも効果的です。

 

●静脈瘤
<原因>
 ・増大した子宮による圧迫などにより静脈血のうっ血が起こるため
 ・ガードルや腹帯がきつすぎる
<対処法>
 ・長時間の同じ姿勢を避ける
 ・マタニティ用のストッキングを着用する
 ・体を締め付ける衣服を避ける
 ・足をあげて休む

 

●痔
<原因>
 ・ホルモンバランスの変化
 ・子宮の増大による便秘
<対処法>
 ・便秘を改善するよう生活習慣の改善
 ・食事療法
 ・血行改善

 

●むくみ
<原因>
 ・エストロゲンの働きで体に水分を溜め込もうとするため
 ・増大した子宮により静脈血のうっ血が起こるため
<対処法>
 ・塩分を控えた食生活に切り替える
 ・マッサージをする
 ・長時間の同じ姿勢を避ける
 ・マタニティ用の弾性ストッキングの着用
 ・体を締め付ける衣服を避ける
 ・足を上げて休む

 

●こむらがえり
<原因>
 ・カルシウムやマグネシウムの不足
 ・子宮の増大による下半身の血流の悪化
 ・運動不足
<対処法>
 ・起きてしまったら、ふくらはぎを伸ばすようにストレッチをする ※壁やタオルを用いると一人でも対処しやすい
 ・カルシウム、ビタミンB群を含む食事
 ・疲労の予防
 ・適度な運動
 ・マッサージ、温める

 

●仰臥位低血圧症候群
<原因>
 ・仰向きになると増大した子宮が背骨の前右側にある大きな静脈(下大静脈) を圧迫し、血流が急激に低下してしまうため
<対処法>
 ・上向きにならず、左を下にして横になるようにする

 

血圧の低下で胎児や母体にも影響のある仰臥位低血圧症候群。右側にたたんだバスタオルをしくなどして傾斜をつけてもよいでしょう。左側は大動脈なので、つぶれないのです。

 

産後にみられるマイナートラブルと対処法

●便秘
<原因>
 ・会陰切開や会陰裂傷の縫合部の痛みなどもあり、いきみにくくなるため
 ・授乳による水分不足

 ・赤ちゃんのお世話で排泄のタイミングを逃してしまう
<対処法>
 ・適度な運動

 ・十分な水分と食物繊維の摂取

 ・下剤の使用は医師の指示のもと、処方された薬を服用する

 

●尿漏れ
<原因>
 ・骨盤底筋が妊娠と出産で緩んでしまうため
<対処法>
 ・尿意を感じなくても定期的(3~4時間ごとを目安)に排尿する
 ・骨盤底筋を引き締めるようにする

 ・産褥体操

 ・胴回りをしめる下着類の着用を避ける

 ・重いものを持ち上げるなどの作業は最低限にする

 

まとめ

理解されづらく、でもとってもつらいマイナートラブルの数々。妊娠・出産が千差万別であるように、症状や発症の程度は人によって全く違います。ほかの人と比べることなく、できるだけリラックスするように心がけるのがポイントです。

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    現在ログインしていません。ログインしますか?
    シェアする

    • コメントがありません

  • あわせて読みたい記事

    気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    医療の新着記事

  • PICKUP

    ベビカレアプリ
    新コーナー!

    ✨今すぐ✨
    チェック▶︎