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予定日は1カ月後なのに破水「トイレで赤ちゃんの頭が出てきた!?」どうしよう…咄嗟にとった行動とは

初めての妊娠をしていたころの話です。出産予定日までまだ1カ月もあったある日、まさか出産の時が近づいているとは夢にも思わず、いいことがあってニコニコしながら帰宅しました。疲れて眠りにつこうとしたそのとき、急な尿意に襲われトイレへ行くと、なんと破水。慌てて産婦人科に連絡すると「すぐに来てください」とのことでした。

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師関根直子

筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。
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トイレで出産!?

病院へ着くと、看護師さんから陣痛誘発剤と下剤を渡されたので飲みました。しばらくしておなかが痛み出したので、トイレに駆け込みます。そして便意だと思ったのでいきんだ瞬間、なんと赤ちゃんの頭が出てきたのです。本能的に「もう一度いきまないと!」と感じ、渾身の力を込めたところ、するりと赤ちゃんの全身が出てきてびっくりしました。

 

まさか自力で出産し、わが子を抱くとは……。トイレまで付き添ってくれていた妹に看護師さんを呼んでもらい、車椅子で分娩室へ移動しました。そこでへその緒を切って胎盤を掻き出してもらったときの激痛は、今でも鮮明に覚えています。初産はまさかの展開となりましたが、無事に生まれてくれてありがとうと感謝してもしきれません。今となっては笑い話として語れるほど、素敵な思い出に変わりました。

 

「初産だから時間がかかる」というイメージにとらわれず、体の変化やサインに敏感でいることの大切さを痛感しました。もしあのとき本能的にいきむという行動に出られていなかったら……と、想像するだけでゾッとします。そして、そんな奇跡的な出会いを果たした娘は、今や20代の素敵な女性になっています。

 

◇ ◇ ◇

 

赤ちゃんが無事に生まれて本当によかったです。トイレでひとりのときに赤ちゃんが出てきてしまうなんて、慌ててしまいますよね。今回は咄嗟にいきんで無事に生まれたようですが、「本来はいきんで大丈夫なの?」と疑問に思った方も多いと思います。また、「胎盤を掻き出すと痛いの? どういうこと?」とも思いますよね。そこで、助産師さんに解説してもらいました。

 

トイレで赤ちゃんの頭が出てきたら、どうするべき?

もし病院のトイレで赤ちゃんの頭が出てきてしまった場合は、即座にトイレ内にあるナースコールでスタッフを呼び、できるだけそれ以上いきまず、スタッフが来るまでいきみたくなる感覚を呼吸で逃してください。

 

座位での出産には、赤ちゃんを便器内や床に落としてしまう「墜落分娩」の危険性や、頭が出てきたあとに肩が出ずに、赤ちゃんの首が絞まった状態で止まってしまう可能性もあります。また、産道や会陰部に予期せぬ力が加わり裂傷が大きくなる、出血が増えるなどのリスクもあるのです。

 

また、稀なケースではありますが、もし自宅や外出先でいきみたくなるほどの陣痛増強や破水など、急速にお産が進んでしまったら、とにかくまずはかかりつけの産院に連絡しましょう。状況を説明し、電話で具体的な指示をくれるはずです。電話をつないだまま都度状況を伝え、指示を仰ぐとよいでしょう。産院の指示により、緊急度が高ければ救急車を呼びましょう。

 

胎盤を掻き出すと痛いの?

この方は胎盤を掻き出してもらうときに激痛があったと仰っていますが、一般的に通常の胎盤の娩出時に痛みを感じることは少ないです。ただ、掻把(掻き出す)となると痛みを伴います。おそらくこの方は、胎盤がはがれにくい状態だったか、胎盤の一部が子宮内に残っている「胎盤残留」だったと推測されます。そういった場合、胎盤を掻き出すときに強い痛みを感じます。

 

異変を感じたら医療機関に相談を

妊娠中は、いつ何が起こるか分かりません。体の変化に気を配り、少しでも異変を感じたらすぐに医療機関に相談してくださいね。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

著者:田中 真紀子/50代女性・パート

娘を2人育て上げた母。娘は2人とも20代になり、私は就労支援B型の福祉のスタッフとして働いている。

 

作画:さくら

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)

 

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