そんなある日、突然義姉が「今日から、ここでお世話になるから♪」と姪を連れて現れました。離婚したので、うちに住まわせてほしいと言うのです。
義母は「ちゃんと話そうと思ってたのよ」と言いながら、どこかうれしそう。私たち夫婦と義父に反対されると思い、相談せずに準備を進めていたようです。義姉の奔放でワガママな性格を知っている夫は反対しましたが、義父母の生活スペースで暮らしてもらうことを条件に、しぶしぶ承諾しました。
たまる不満と決定的なできごと
義姉と姪との同居が始まってからというもの、穏やかだった空気が一変しました。義姉は一切生活費を入れず、昼間はテレビ、夜はスマホ三昧で一日中ダラダラ。家事はまったくしないのに、義母が作ってくれた食事に文句を言います。
姪もすごくワガママな性格ですが、義母は分かりやすく姪ばかりかわいがって甘やかすようになり、やがて娘の笑顔も減っていきました。
そしてある日、私たちが娘にプレゼントした大事なぬいぐるみを、姪が「ほしい」と言い出しました。私が「娘のお気に入りなので……」と制するのも聞かずに、義姉は「いっぱいあるんだから別にいいでしょ! これもらうわね~」と言い、持って行ってしまったのです。
娘はそのあと大泣き! 私も、あまりに身勝手な義姉たちには我慢の限界でした。
「もうあの人たちと一緒に住むのはいやだ。ママとパパと、おじいちゃんだけがいい」
娘の言葉を聞いた義父が静かに立ち上がり、義母と義姉、姪を呼びつけました。
「この家は息子夫婦が建ててくれた家なのに、相談もなく勝手に住まわせたのもありえない。しかも義姉は家のこともせず、人の物まで取って孫を泣かせるなんて、許せん」「これ以上私たちを困らせるなら……三人で出て行ってもらう」と言い、義姉と義母にしっかりと説教してくれました。
夫も「姉ちゃんがその態度のまま住み続けるなら、俺たちが出て行くから、代わりに家のローン払ってくれよな。それができないなら、反省して何をすべきか考えて行動してくれ」と義姉に伝えました。
涙の謝罪と、変化のはじまり
翌朝、朝食の席に、義姉がうつむいたまま座っていました。そして「昨日は、本当にごめんなさい」と謝罪してきたのです。姪も小さな声で「ごめんね」と言い、そっとぬいぐるみを娘に返してくれました。そこには、いつもの強気な姿はありませんでした。
あの夜の一件が、義姉にとって目を覚ますきっかけになったようです。それから義姉は「まずは家を出るために貯金をする」とパートに出るようになり、義母と一緒に台所に立つ姿も見かけるようになりました。姪も娘と仲良く遊べるようになり、少しずつ関係は改善していきました。
すれ違うことがあったとしても、ちゃんと向き合えたら、またやり直せばいいーー。一時は大変な思いをしましたが、今は穏やかな日々を過ごしています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。