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「やさしかった祖母が怖い…」祖父母の介護で知った心のギャップと葛藤【体験談】

家族の介護をするのは当たり前だと考えていましたが、それが現実になるとすごく大変でした。祖母と祖父の介護を家族と一緒におこなうことで、介護の大変さをわずかながらも学ぶことができたのは、とても良い経験だったと思います。そんな私の体験談です。

自分ではない人を支える大変さ

私が学生時代、祖母が急病で倒れてしまいました。当時はまだ学生だったので、私自身は介護だけに集中することはできませんでした。そのため、母と父が中心となって介護をしていました。私は授業が終わればすぐに帰宅し、母と交代して祖母の介護をできるだけ手伝っていたことを覚えています。

 

祖母は下半身が動きにくくなってしまい、ベッドで横になっていることが多かったので、私はトイレの介助や立ち上がって移動する際の支えになるなど、主に負荷の少ない介助をしていました。とはいえ、やはり自分以外の人の体のことを考えてあれこれと気を遣うのはとても大変です。母と父は交代で祖母の介護をしていましたが、夜などは特に大変だろうと感じました。

 

自分の祖母といっても、やはり自分の体を自由に動かせなくてイライラしている人の介護は疲れます。家族だからこその甘えもあるのかもしれませんが、介護をされる現実を受け入れられずに傷ついているのだろうと考えると、祖母にひどいことを言われてもなかなか注意ができないことも……。

 

祖母のあとは祖父の介護が

祖母の介護を手伝っている間に私は社会人になり、その数年後に祖母が亡くなりました。それから数年後、今度は祖父が病気になって介護が始まったのです。祖母よりも自分で体を動かすことができる分、介護はラクでしたが、母も父も大変そうでした。

 

私自身は会社の仕事と介護の両立のために忙しく、介護疲れでイライラしてしまうこともありました。家族のみんなが疲れている状態だったので、家の中がぐちゃぐちゃだったことを覚えています。

 

 

介護からの解放

祖父が少しでも回復できるように食事にも気をつけ、動けなくなったときには夜中も交代で介護をし、トイレや食事の介助をしている状態がずっと続きました。仕事と夜中の交代での介護、家族みんなが協力しているので、自分ひとりが疲れているからといって休むこともできませんでした。

 

数年ほど続いた祖父の介護は、祖父が亡くなるまで続き、葬儀後には家族全員がぐったりしていました。祖母が亡くなったときも、祖父が亡くなったときもさびしさで涙が出ましたが、大変な介護から解放されたという感覚もあったことを覚えています。

 

まとめ

実際に介護を経験してみて、「介護は家族の精神を消耗する」ということがわかりました。ですが、介護をすることで、小さいころは頼れる大人だった祖父母が今度は私を頼ってくれるのがうれしかったという思いもありました。家族がきちんと祖父母の介護に向き合えたので、いろいろとしてあげたかったという思いは今でもありますが、後悔はしていません。祖父母の介護を通じて、改めて「介護は他人事ではない」と感じました。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:黒川涼音/40代女性・主婦。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

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