月の半分は体調不良
生理が始まったころから生理痛が重く、経血量も多かった私。食生活や生活習慣を見直したり、鎮痛薬を飲んだりしても、毎回2日間は寝込む状態で、鉄欠乏性貧血による鉄剤も処方されていました。
さらに、生理前のイライラ、憂うつ、ちょっとしたことで泣くなど、感情のコントロールがまったくできなくなるPMS特有の症状もあり、月の半分は調子が悪く、自分が女性に生まれたことを恨めしく思ったことさえありました。
低用量ピルに希望の光。でも母が大反対!
そんな私が低用量ピルの存在を知ったのは19歳のとき。「これなら生理に左右されない生活が送れるかも」と希望がわき、母に「低用量ピルを飲みたいから婦人科を受診したい」と申し出ました。すると……母はとても嫌そうな顔をしたのです。
母にとっては、低用量ピルは生理症状を軽くしてくれるものというより、経口避妊薬というイメージが強いようでした。
母は仕事柄、新しい治療や薬剤の情報に触れる機会も多い人。そんな母なのに、経口避妊薬のイメージが先行し、「娘が低用量ピルを服薬することには抵抗がある」というのです。
私は気持ちが折れそうになりましたが、毎回の生理で症状に苦しんでいること、低用量ピルは生理痛や経血量の軽減に有効だそうだから私も試してみたいと何度も説明をしました。そして、なんとか母に理解してもらい、婦人科を受診しました。
以前は欠かせなかった鎮痛薬が不要に!
私は医師に症状を相談。医師からも「低用量ピルを服用したほうがいいね」と言われ、処方してもらいました。そして低用量ピルの服薬を始めると、以前よりも生理期間をラクに過ごせるように! 鎮痛薬が不要になりましたし、鉄欠乏性貧血もだいぶよくなりました。
服薬前より格段に体調が良くなった私を見て、母はこう言いました。
「私は生理痛がほとんどないから、あなたの大変さを理解しきれていなかった。低用量ピルを始めることに否定的な態度をとってしまったけれど、むしろ私がもっと早く薬のことを調べて、服薬を提案してあげられていればよかった。ごめんね」と。
私の場合は、生理痛や鉄欠乏性貧血の悩みには低用量ピルがとても有効でした。でも、情報を知る機会の少なさ、婦人科受診への抵抗感、薬剤への世間のイメージ、金銭的負担など、さまざまな壁があり、私がこの壁をすべて乗り越えるにはたくさんのエネルギーが必要でした。
この壁が少しでも小さくなり、生理痛への対処法の1つとして低用量ピルがもっと知られるようになるといいなと、大人になった今改めて思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
文:大本ゆい/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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