息子の登園渋りを知った義母が…
息子は幼稚園に入園した当初、毎朝「幼稚園に行きたくない」と泣いていました。最初の数日はそんなものだろうと何とか連れていきましたが、次第に朝になると「おなかが痛い」と言うように。とても悩みましたが、体の不調を感じるほど行きたくないと感じるのであれば、これ以上強要するのはよくないと考え、思い切って休ませたのです。
幼稚園の先生はこの状況を知って、息子の気持ちに寄り添ってくれました。ひとまず次の週から、少しずつ幼稚園に慣れていくことに。幼稚園の門まで行けるとうれしそうにするものの、フリーの先生が迎えに来ると泣き出す息子。そんな息子の姿を見た先生は「よくここまで来てくれたね! 先生○○くんのお顔が見られてうれしかった」とほめてくれました。そしてこの日はそのまま帰宅。「明日も幼稚園に行って先生にごあいさつしてみようね」と話すと「うん!」と返事をしてくれた息子を見て、少し前進したような感覚を覚えました。
そんな毎日を繰り返していたある日、義母からテレビ電話で「○○くん幼稚園楽しい?」と聞かれ「ううん! 僕、幼稚園行ってない」と答えた息子。「なんで行かないの? 行ったら絶対楽しいわよ」と息子を説得しだす義母に、息子は「だって……」と泣きそうに。義母へは私から説明をして、この日は電話を切りました。
翌日、朝早くに自宅のインターホンが鳴りました。なんと出るとそこには義母がいるではありませんか! 戸惑う私にかまわず息子のもとへ行く義母。「今日はおばあちゃんと幼稚園行ってみよう!」と誘い出したのです。息子が「先生におはようするだけ?」と聞くと「違うよ! ○○くんはちゃんと幼稚園に行くの! おばあちゃんがお見送りしてあげるからね」と笑顔で話す義母。息子の表情はたちまち曇ってしまい、行かないと泣き出しました。それでも強引に連れ出す義母。何度も止める私に「あなたがしっかりしないから○○くんは行かないのよ!」「昔はどんなに泣いても、親はぐっとこらえて送り出したものよ」「今はなんでも『子どもの気持ちが大事』とか言うけれど、そんなの言い訳よ!」と自分の子育て時代の話を延々としてきたのです。
うんざりしながら幼稚園に着くと、一気に体に力が入る息子。いつもの先生と、今日は園長先生も一緒に出迎えてくれました。「○○くんおはよう! あ、今日はおばあちゃんと来たんだね。うれしいね」と声をかけてくれましたが、おなかが痛いと泣き、帰りたがります。その途端、義母が無理やり息子を先生に引き渡そうとしたのです。
「もうやめてください」と私が震えながら言うと、先ほどの話をまた繰り返す義母。私は泣きたい気持ちを抑えるしかありませんでした。すると義母と同年代ぐらいの園長先生が、「お義母さん、○○くんは毎日頑張っています。環境に慣れるまで時間が必要な子もいるんです。体への不調が出ている○○くんの気持ちを無視して、無理やり幼稚園に来させてしまっては、本当に幼稚園がきらいになってしまいます。○○くんのペースで見守りましょう。あと、今と私たちの時代は全然違いますよ」と、はっきり言ってくれたのです。義母はバツが悪そうにしながらも、「○○くんごめんね。おばあちゃん怖かったよね」と息子に謝っていました。
その後、息子は先生たちにあたたかく見守られ、少しずつ幼稚園の敷地内に入れるように。ゴールデンウィークが終わった少し後から、笑顔で登園できるようになりました。
息子に寄り添い、見守ってくださった先生方には感謝しかありません。周りから見ると歯がゆかったりもどかしかったりするかもしれませんが、当事者である本人や家族はその何倍も悩んでいるもの。その子なりのペースで進めるよう見守り、サポートすることの大切さを感じた出来事でした。
著者:立川りか/30代・ライター。6歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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