現場で味わった理不尽な日々
A建設に入社し、現場監督となった私は、親方や先輩たちから「新人は雑用」と理不尽な扱いを受けていました。女性作業員のミヤビさんも同じく雑用を押し付けられ、現場の空気は重く、僕の意見もまったく通りません。
「おい新人、片付けとけよ」
「俺ら、先に帰るわ」
といった言葉が飛び交い、孤独な日々が続きました。
仲間の信頼を勝ち取るまで
そんな中でも私は「現場を変えたい」と思い、まずは自分ができることから始めました。事務所やトイレを徹底的に掃除し、作業員たちにも積極的に声をかけ、自分も現場作業に飛び込みました。
最初は「点数稼ぎか」と冷ややかな目で見られていましたが、やがて少しずつ心を開いてくれるようになります。
ある日、市役所に納期の延長を直談判し、なんとか1週間の猶予を勝ち取ることができました。「どうか皆さんのお力を貸してください!」と頭を下げると、親方たちも「お前がそこまでしたんなら、俺らもやるしかねーだろ」と協力してくれるようになり、現場は一気に活気づき、無事に工期を終えることができたのです。
ブラック企業との決別と転職
しかし、オフィスに戻ると、上司や他の社員たちは「現場の言うなりとかありえねーし!」と見下す発言が飛び交いました。私は「彼らがいなければ何もできないんですよ!」と強く反論しました。
すると突然、ミヤビさんが現れ、こう言いました。
「あなたをスカウトします。好待遇で迎えるわ!」
あまりに突然の出来事に戸惑う私に、ミヤビさんは少し間を置いてから、静かに口を開きました。
「……実は、私、B建設の社長なんです」
現場を知るために業界調査の一環で、調査員として現場に入っていたと言うのです。思いも寄らない事実にただただ驚きました。
その後、ブラックなA建設を退職しようとすると、会社は「退職なんかできるわけないだろ!」と妨害。しかし、ミヤビ社長が弁護士を連れてきてくれたおかげで、無事に退職と未払い残業代の回収ができました。スカッと一矢報いることができました。
新天地で迎えた驚きの再会
B建設に転職した私は、かつての現場仲間たちとも再会し、私の成長を認めてくれ、働きやすい環境を作ることに成功しました。
仕事終わりにはミヤビ社長と食事に行く機会も増え、打ち合わせの合間に「一緒にいると、私も頑張ろうって思えるの」と微笑まれる場面も。やがて「私のこと、考えてみてくれない?」と告白される予想外な展開もあり、仕事だけでなく、心の距離も確実に近づいているのを実感したのです。
自分の信念を貫いたことで、職場も人生も大きく変わりました。
まとめ
最初は孤立しながらも自分の信念を貫き、現場の空気や人間関係を少しずつ変えていきました。困難な状況でも諦めず、行動し続けることで周囲の信頼を得て、最終的には自分自身の働く環境も大きく変えることに成功します。理不尽な現場でも、信念と行動で周囲の信頼を得て環境を変えられる、そんな気付きを与えてくれますね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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