高卒の僕をバカにする弟
僕は昔から洋服が好きで、高校卒業後は大学に進学せずとあるアパレル会社に販売員として入社しました。一方で、成績が優秀だった弟は有名私立大学に入学。大学卒業後は大手商社に入社しました。
僕の家庭は母親が大黒柱として働き、父親が家事と育児を担当。父は昔から頭のいい弟ばかりをかわいがり、僕に対しては「高卒でアパレル会社に入った出来損ない」と発言したことも。父の影響からか弟も僕のことをバカにするため、僕は早々に実家を出ました。そして、ここ数年は仕事で海外生活をしていることもあり、2人とは連絡をとっていませんでした。
弟の嫌がらせに呆れて…
そんなある日、母から「弟が結婚式をするから出席してほしい」との連絡が。あまり気乗りしませんでしたが、家族の結婚式となれば出席しないわけにはいきません。
そして結婚式当日。式場に着くなり、弟は「久しぶりだな! まだ洋服の販売員なんてやってるの?」と声をかけてきました。僕が「まあな」と返事をすると、父親も近づいてきて「いい歳してまだ販売員なのか。少しは弟を見習え」と発言。さらに弟は、「兄さんは来ると思ってなかったから、食事は用意してないよ」と言ったのです。
弟の嫌がらせに僕は呆れてしまい、「それなら帰ることにするよ」と控室から出ようとしました。するとちょうど、弟の結婚相手であるA子が部屋に。なお、母から聞いた話によると、A子さんは有名企業の社長の娘だそう。弟も父も、「A子さんと結婚すれば逆玉の輿だ!」と大はしゃぎだったようです。
A子さんは泣きながら!?
A子さんは控室の殺伐とした雰囲気を感じとり、「皆さんどうしましたか?」と質問。弟は必死に「なんでもないよ!」と隠そうとします。きっと、彼女の前では猫を被っていい人を演じているのでしょう。しかし、僕は弟の茶番に付き合うつもりはありません。昔から弟にバカにされてきたことやさっきまでのことを、すべて彼女に話しました。
するとA子さんは、涙を流しながら弟と父に訴えかけたのです。
「私は昔から、社長の娘というだけで私には媚を売り、他の人々に対してはひどい態度をとる人をたくさん見てきたの。だから、立場や職業によって人に優劣をつける人間が大っ嫌い。あなたたちまでそんな人だったなんて……」
反省した弟は…
結局、弟に失望したA子さんは「今日の結婚式は中止にする。あなたとは離婚も考える」と宣言。式は延期になり、しばらく彼女は実家に帰ってしまったそうです。
その後、弟は何度もA子さんの実家に通い、全力で謝罪。最終的に「人によって態度を変えるようなことはしない。兄との関係も改善する」と約束し、騒動は収まったのだとか。
それから、弟はちょくちょく僕に連絡してくるようになり、帰国するとA子さんも含めて3人で食事をする仲に。まだまだぎこちない僕と弟ですが、これからは家族として助け合っていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!