自由に動けるようになってきた赤ちゃんにとって、目線の位置にあるコンセントは魅力的。指や金属を入れてしまい、感電する危険性があります。やけどを負ってしまったり、最悪の場合は心臓麻痺になったりする危険性を認識して、安全対策を講じるようにしましょう。もしもに備えて、心肺蘇生方法を知っておくことも大切です。
コンセントへの異物差し込みで感電! 心臓麻痺が起こることも
子どもがヘアピンや鍵などの金属を電気コンセントに差し込んでしまい、感電したという事故報告が消費者庁に寄せられているそうです。実際に報告された1例を見てみましょう。
「子どもが2つの鍵をそれぞれコンセントに差し込んで、感電し、両手指にやけどを負った」(5歳)
出典:子ども安全メール from 消費者庁
家庭用の100Vの電圧でも、心臓麻痺が起こるリスクがあるそうです。子どもの命にかかわる危険があると認識しておくことが大切かもしれません。
コンセントによる感電を防ぐには
すでに実施している家庭も多いかもしれませんが、コンセントによる感電を防ぐには市販のカバー付き電気コンセントやコンセントキャップなどを使うことがおすすめです。市販の感電防止グッズを選ぶ際には、次のポイントをチェックするようにしましょう。
・子どもが取り出しにくい仕組みか
・子どもが誤飲しにくい形状か
・シンプルなデザインか(子どもが興味を示さないために)
子どもグッズと考えると、ついついかわいいデザインのグッズを選んでしまいそうになるかもしれません。しかし、安全対策グッズにおいては、子どもが興味を示さないシンプルなものを選ぶことが大切です。
蘇生のタイムリミットは3分
赤ちゃんがコンセントで感電してしまった場合に備え、対処方法を知っておくことも大切です。感電を発見したら、赤ちゃんの足の裏を刺激して泣いたり顔をしかめたりするか確認しましょう。もし呼吸をしていない場合は、直ちに心肺蘇生をおこないます。蘇生のタイムリミットは3分と言われているので、時間との勝負です。
下記で紹介する1歳未満の赤ちゃんへの心肺蘇生手順を頭に入れておくとともに、自治体などで実施する救命講座があれば受講しておくようにしましょう。
心肺蘇生手順
[1] 気道確保
固いところに仰向けに寝かせる→頭をそらせて下あごを持ち上げ、気道を確保する→口の中につまっているものがあればかきだす。
[2] 人工呼吸
呼吸がないときは、赤ちゃんの鼻と口に同時に1秒かけて2回息を吹き込む(胸の上がりが見える程度で)。
[3] 心蔵マッサージ(胸骨圧迫法)
呼吸が戻らないときは、中指と人差し指の2本で、赤ちゃんの乳首と乳首を結んだ線の中心より指1本下の胸骨上を、胸の厚みの約1/3の深さまで1分間に100回のペースで30回押してください。1人の場合は、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の心肺蘇生法を2分間(5サイクル)続けてから救急車(119)を呼びましょう。
引用:ベビーカレンダー「息をしていないときの応急処置」【監修/葛飾赤十字産院院長 小児科医 三石知左子先生】
コンセントの穴は赤ちゃんにとってちょうど目線の位置にあり、魅惑的。物を差し込んだり、よだれで濡れた指を入れたりしてしまわないように、キャップを使うなど保護対策をしておきましょう。
参考/子ども安全メール from 消費者庁
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。胸骨圧迫の方法は、子どもの月齢(年齢)によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。