キャンプ場で花火を楽しむ夜
ある夏の日、私たち家族はキャンプへ出かけ、夜はコテージに宿泊しました。子どもたちは手持ち花火を心待ちにしていて、夕食後にはソワソワと落ち着かない様子。
私はキッチンで食器を洗いながら、花火を持って外に出ようとする夫に向かって「靴、履かせてね! 裸足はダメだよ!」と声をかけました。
夫は「はいはい」と軽く返事をして、そのまま子どもたちと外へ。楽しそうな笑い声が聞こえてきて、私も安心していました。
ちゃんと伝わっていなかった!?
食器を洗い終え、私も外へ出て様子を見に行くと、息子が手持ち花火を楽しんでいました。ふと足元に目をやると、履いていたのは穴のあいた軽量サンダル。そして、なんと裸足のままだったのです。
「えっ、裸足!? 危ないって言ったのに!」と思ったその瞬間、「ぎゃーっ! 熱いっ!」と息子の叫び声が。
慌てて駆け寄ると、花火の火の粉がサンダルのかかと部分から入り込み、足の裏の中心をやけどしてしまっていました。
花火でやけど…反省と教訓
すぐに長時間流水で冷やし、応急処置を施しましたが、翌日には水ぶくれに。つぶれないように、ばんそうこうを貼って保護しました。火傷の場所が足裏だったため、息子は歩くたびに痛がっていました。
息子が履いていたサンダルを見てみると、一部が焦げて溶けており、花火の威力にゾッとしたのを覚えています。
その後、病院を受診し、幸いにも今では傷痕もなく、きれいに治りました。
この出来事以来、息子は花火に対して少し慎重になり、「靴をきちんと履く」「延長棒を使う」など、自分で気をつけるようになりました。夫には「だから靴を履かせてって言ったでしょ!」と強めに言ってしまいましたが、夫も反省したようで、その後は子どもの安全への意識が高まったように感じます。
子どもに危険が及ぶのは、一瞬の油断から。特に大人が「大丈夫でしょ」と軽く考えてしまうと、大事に至ることもあると改めて実感しました。家族で楽しむ時間だからこそ、「まあいいか」をなくすことの大切さを痛感したキャンプの夜でした。
◇ ◇ ◇
花火をするときは、火の粉によるやけどなど、思わぬ事故につながることがあります。今回のように、軽量サンダルや裸足は足を守ることができません。花火遊びの際は、靴下+スニーカーなどでしっかり足元を保護することが大切です。
万が一やけどをしてしまったときは、すぐに患部を十分に冷やしましょう。刺激を避けるため、容器に溜めた水で冷やすか、水道やシャワーの流水を直接患部に当てないようにして、10分以上冷やします。ただし、氷や市販の冷却シート、水道水やシャワーを直接当てて冷やす行為は避けてください。水ぶくれができた場合はつぶさずに保護し、早めに医療機関を受診しましょう。
また、受診すべきか迷ったときは、『小児救急電話相談(#8000)』を活用するのも一つの手です。医師や看護師が、適切な対応をアドバイスしてくれます。
夏の楽しいひとときを安心して過ごすためにも、事前の準備と安全対策を心がけていきたいですね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:新谷けご/40代女性。2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日です。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)