今、古風で日本的な美しさを連想させる名前「レトロネーム」が注目を浴びています。日本の地名や歴史上の人物、和歌など、和風名づけのヒントになるものはたくさんあります。
今回はそのなかでも、普段はなかなか手にしない「古語辞典」から、和風名づけのヒントになる名前をピックアップ。日本人らしい雰囲気をそなえつつ、ちょっと個性的な名前をつけたいパパやママは参考にしてみてくださいね。
古語辞典から探す 男の子の名前
・右京(うきょう)
平城京、平安京の西側の部分のこと。刑事ドラマ「相棒」シリーズの主人公の名前としても、今や有名になりましたね。
・朔(さく・はじめ)
陰暦で「ついたち」の意味。一文字で「はじめ」と名づけたり、ほかの漢字と合わせて「朔太郎(さくたろう)」など。「朔」は2018年生まれの赤ちゃんの名前ランキング39位でした。
・工(たくみ)
職人、細工師などの意味。一文字で「たくみ」という読み方は、俳優の斎藤工さんの影響で、すっかり定着した気がします。
・弓弦(ゆづる)
弓のつるを指します。フィギュアスケート選手の羽生結弦さんとは、漢字は違うものの、読みは同じですね。
古語辞典から探す 女の子の名前
・千歳(ちとせ)
千年、長い年月の意味。七五三で持つ千歳飴は、親からの子どもに対する長寿の願いが込められています。
・紬(つむぎ)
2017年生まれの女の子の名前ランキング11位、2018年には16位にランクインするほどの人気の名前。つむぎ糸で織った絹織物のこと。
・木綿(ゆう)
綿の種子からとれる繊維、「もめん」のこと。「木綿子(ゆうこ)」などとすると、より古風なイメージに。
・縁(ゆかり)
巡り合わせや、つながりを意味します。いい縁に恵まれるようにという願いを込めてつけたい名前。
近年個性的な名前が話題となる一方、古風で日本的な美しさを連想させる名前「レトロネーム」の人気が再燃しています。
「古語辞典」には、現代ではほとんど使用しない言葉も多く記載されているので、名づけを検討するときには、名前として使える漢字か、誰もが読みやすい名前かどうかも再度検討するようにしてくださいね。(TEXT:樋口由夏)
イラスト:imasaku
※参考文献:『旺文社全訳古語辞典 第四版』(旺文社)