「ハイスペと結婚したい」私の婚約者を奪った高校の同級生。彼女がしていた衝撃の勘違いとは

私は都内の病院で医師として働いています。彼と婚約して1カ月ほどが経ったある日、仕事のお昼休み中にいきなりA子からメッセージが届きました。

 

「婚約したって本当！？ 今度、彼を私にも紹介してよ！」

 

突然の連絡に戸惑う私。というのも、A子はとてもかわいいルックスをしており、学生時代からワガママ放題でした。そして陰で私に対して、「あの子、ガリ勉だよね。地味だから仲良くしたくない」と言っていたことを知っているのです。

 

私は極力A子とかかわりたくないため、「本当だよ！」とだけ送って連絡を区切ろうとしました。しかし、A子は彼についていろいろと質問してきます。

 

「同級生たちから聞いたけど、お相手もお医者さんなんでしょ？ いいなあ、私もハイスペと結婚したい！」

 

どうやら同級生たちの間では、私の婚約者は医者だという噂が流れているよう。しかし、彼は医者ではありません。

 

「普通の人だよ」と返信しますが、A子は「でも優秀な人でしょ？」「年収ってどれくらいなの？」と詮索が止まりません。

 

うんざりした私は「もう仕事に戻らないと」と送信し、やり取りを終わらせました。

 

それから数カ月後、彼から呼び出された私は「俺と別れてほしい」と告げられたのです。

 

理由を聞くと、「きみの親友のA子ちゃんと結婚したい」とのこと。A子から連絡がきたときから嫌な予感はしていましたが、彼女は私の友だちなどから彼の情報を聞き出し、私の親友と言って彼に近づいたよう。

 

「私たち、婚約までしてるのに！」と言うと、彼は「だって、きみはいつも仕事が忙しくて、俺の相手をしてくれないじゃないか！」と逆ギレ。婚約相手との別れをそんなに簡単に決める彼に幻滅し、話し合いをすることもなく私は別れを選びました。

 

それから数日が過ぎ、「結婚式場をキャンセルしないと」と思っていると、彼から「式場はキャンセルするな」との連絡が。「どうして？」と聞くと、なんと新婦をA子に変え、そのまま結婚式をやることにしたというのです！

 

婚約破棄されたうえ、こんなデリカシーのないことまでされるとは……。

数日経ってもモヤモヤしていた私は、A子に文句を言おうとスマホを手に。すると、ちょうどA子からメッセージが。

 

「どういうこと！？ 彼、ハイスペじゃないの！？」

 

A子は相当取り乱しているようで、私は「何があったの？」と話を聞くことにしました。A子によると、ついさっき彼に「実は無職なんだ。きみが僕を医者だと勘違いしているから言い出せなかった」と言われたよう。

 

私は、「だから、彼は普通の人だって言ったでしょ。2年ほど前に上司が嫌で仕事を辞めて、それからずっと無職なの」と送信。A子は「は！？ 意味がわからない。私、無職と結婚なんてしないから！！」と現実を受け入れられないよう。

 

「私、婚約破棄になってからいろいろと考えたんだけど、彼は私のお金が欲しくて婚約したのだと思う。そんな人と一緒にならずに済んで、あなたには感謝してる」

 

私はそう言い残し、返信をやめました。

 

そして翌日には彼から「A子がキレて大暴れしている。助けて」との連絡が。さらに、「A子とは別れるから予定通り結婚しよう」とまで言ってきたのです。

 

「裏切っておいて都合がよすぎるんじゃない？ あなたとはもうかかわりたくないから、連絡してこないで」と、私は彼の連絡先をブロックしたのでした。

 

高校時代からの友人に聞いた話によると、結局、A子と彼の結婚はなしになったよう。無職の彼に払えるわけがなく、結婚式場のキャンセル料はすべてA子が払うそうです。

 

「因果応報とはこういうことか」と実感した出来事でした。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

イラスト：わかまつまい子

 

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