その後、子どもたちが小学生になり、男女でそれぞれ友だちができますが、両家の親密な関係は継続。海斗くんは夏美さんにもう親子同士で遊びたくないと宣言しますが、夏美さんは「どうして!?」と泣き叫び、状況は変わらぬまま……。
小学5年生になった海斗くんは、雪ちゃんの親友である彩ちゃんや同級生の女の子からバレンタインチョコをもらいます。しかし、夏美さんは激怒! 雪ちゃんからもらうチョコだけで十分だと言い、海斗くんの目の前で全部ゴミ箱に捨ててしまいます。
翌日から、彩ちゃんにそっけない態度をとるようになった海斗くん。ホワイトデーには夏美さんの指示通りに雪ちゃんにだけお返しをします。そのことを知った雪ちゃんはもやもやを募らせます。
そんななか、週末に彩ちゃんたちが雪ちゃんの家に遊びに来ます。油断していた雪ちゃんは、幼少期に撮影した海斗くんとのキス写真を彩ちゃんに見られてしまって……!?
友情に生じた大きな亀裂
子どもたちのおやつにクッキーを出した、冬子さん。実はそのクッキーは、海斗くんがバレンタインのお返しにくれたものだったのです。
「ホワイトデーで海斗くんから雪にもらったものなの」
冬子さんの言葉に、場が凍り付きます。
雪ちゃんがバレンタインチョコを海斗くんに贈ったこと、そして、お返しをもらったことを知った彩ちゃんは泣き出してしまうのでした。
▼冬子さんは彩ちゃんが海斗くんに片思いしていることを知らなかったとはいえ、余計なひと言を言ってしまいましたね。雪ちゃんにとっては、親が友だち関係をややこしくしてしまうのはつらいもの。事前に、学校生活でのできごとを話していたら防げていたかもしれません。
ただ、雪ちゃんは話さなかったのではなく、話せなかったのかもしれません。冬子さんが夏美さん親子との関係を優先してしまっていたことで、遠慮や諦めを抱えてしまっていたのではないでしょうか。子どもが自然と心を開けるような、雰囲気や関係性を築ける親でありたいと考えさせられますね。
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