葛藤の末、さなさんは彼の家のインターフォンを押しました。彼・まさとさんは会社にいるはず。独身であれば不在なのですが、家の中からかすかな物音がしました。そしてドアを開けたのは……。
どうして家に人がいるの?
家には誰もいない、と思ったのも束の間、エプロンを着けた女性が出てきました。
私は泣いて探偵に依頼するほど疑っていたのに、心のどこかでまさとが独身だと思っていたんです。
その証拠に、明らかに彼の妻が現れたとき、何を言うべきかまったく考えていませんでした。
それどころか、まさとの名字は「川瀬」なのですが、パニックになってまったく違う名字を口にして家を間違えたふりをしました。
いったんは彼の家を去ったのですが、頭の中は大混乱。
もしかしてさっきの女性は妹ではないかと、この期に及んで独身の可能性も考えていました。
―――――
何度もさなさんが「結婚しているんじゃないか?」と問い詰めても独身だと言い張っていたまさとさん。ところが彼の家には妻らしき女性がいました。最初から「既婚者だろう」と疑ってかかっていたら、さなさんもここまで衝撃を受けることはなかったかもしれません。一縷の望みに賭けてしまうほど、まさとさんのことを好きだったのでしょう。
どれほど信じていても、現実を知ることでしか見えてこないことがあります。さなさんが自分の気持ちと向き合ったこの経験は、きっと新たな一歩につながるはずです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!
-
前の話を読む33話
「結婚していないよね」意を決して彼の家のインターフォンを押して #運命の人は結婚していた 33
-
最初から読む1話
「どうやって結婚するの?」他人の結婚指輪を見て落ち込む34歳独身の焦り #運命の人は結婚していた 1