娘の顔と一緒に写っていたのは…
1歳の娘の顔を見せに、車で1時間ほどの距離にある義実家に帰省していた日のことです。「SNSを始めてみたいんだけど……」と口を開いたのは、スマホに不慣れな義父。どうやら、久しぶりに会った旧友との会話でSNSに近況写真を投稿している人が多いと知り、自分も仲間に入りたくなったようです。
SNSに初挑戦する義父のため、夫がアカウント作成を手伝うこと30分。早速、出窓の花の写真を撮って投稿しようとする義父を横目に、私と義母は「そのうち投稿が増えたら見てみよう」と笑って話していました。
それから半年後、夏休みに娘を連れて再び義実家に帰省。義父は「外で遊ぼう!」と娘を誘い、水筒とシャボン玉セットを持って外に出ます。娘も楽しそうで、一緒に遊んでくれてありがたいなと思いながら、私は夫と義母とお茶をしていました。
その夜のことです。娘の寝かしつけを終えた夫がふと、「そういえば親父のSNSってどうなったんだろう」と言い、アカウントを覗きました。すると夫は、「えっ!? ちょっとこれ見て!」とスマホの画面を私に見せます。そこには、娘の顔がはっきり写った写真が。娘のSNSでの顔出しを避けている私は「えっ!?」と声が出てしまいました。しかし、問題はそこではなかったのです……。
夫が指さしているのは娘の後ろに写った義実家の門扉。なんと、義実家の表札が写っているではありませんか! 昼間、家の前で遊んだときに撮られた写真からは、大きな表札の名字がはっきりと読み取れます。娘の顔がネット上で公開されているうえに、門扉の表札から娘の名字もわかってしまう状態です。
夜10時ごろの遅い時間でしたが、夫はすぐに義父と義母のいる寝室へ駆け込み、私もついて行きました。夫が「すぐSNSの写真を消してくれ!」と伝えると、のんびりテレビを見ていた義父は「え? なんで? だってこんなにかわいいのに。みんなに見せたいじゃないか」と、何が問題かわかっておらず、不満な様子です。「表札が写ってるんだよ! これじゃ娘の顔と名前を不特定多数の人に晒していることになるんだよ。今どきこういう投稿から怖い事件に発展することも多いんだ。これからも娘の顔がわかる写真は載せないでほしい」と夫が義父に伝えてくれました。義父は驚いた様子で「そうだったのか……それはすまんかった」と言い、投稿をすぐに削除。横で会話を聞いていた義母も「心配かけてごめんなさいね。もう少し私たちもスマホやSNSについて勉強しないといけないわね」とひと言。
その翌日、「昨日は悪かった」と再び謝罪してきた義父。昨晩よりかなり落ち込んだ表情だったので理由をたずねると「もちろん昨日の写真はあの後すぐに消したんだけど、実はさっきまたSNSを開いたら、『孫に喜ばれるプレゼント』とか『子どもと遊べるおもちゃ』の広告がいっぱい出たんだ……たったひとつの投稿でこんなに情報が取られてるのかと思ったら怖くなったんだ」とかなり堪えたようでした。
今、義父のSNSに並ぶのは、お花とごはんの写真ばかり。「これはこれで有益な広告もいっぱい出てくるから、助かってるよ」とSNSを楽しめているようです。
SNSでの顔出しは避ける方針であることを共有していなかったのは、私たちの落ち度でした。ネットリテラシーについて「常識的にわかるだろう」と思わず、きちんと話しておくべきだったと感じた出来事です。
著者:外村真由/30代・ライター。破天荒な1歳の娘に毎日ついていくのが精いっぱいのママ。普段激務の夫が早く帰って娘を寝かしつけてくれている間、ゆっくりお風呂に入る時間が何よりの癒し。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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