断ち切る覚悟
息子は昔から手がかかる子で、結婚して自身の孫が生まれてからも、たびたび母親である私に金銭援助を求めてきました。
これまで私はお金を渡してきたのですが、その援助はあくまで孫のため。ところが、息子自身の甘えを助長してしまったようです。おまけに、「病弱だから」と働きに出ていなかった嫁が、実は遊び歩いていることも明らかになりました。ひょんなことから目撃情報が耳に入ったのです。
「病弱なのに海外旅行やライブに行けるなら、働けるはずでしょ。自分たちの子どものことは、夫婦で何とかしなさい」と私は厳しく指摘しました。
そして、「今後一切あなたたちを支援しない」という決意を表明したのです。
突然手紙が届くも…
それから数日後、息子から私宛に手紙が届きました。内容は、予想していた通りです。
「母さんがお金をくれないせいで、かわいい孫が大学進学を諦めることになる。今すぐ孫の学費を払え。断ったら孫の顔は一生見せない!」と書いてあります。
私は、苦笑しながら目の前にいる孫にたずねました。「あなたのお父さん、こう書いてきたけどどうする?」と……。孫はあっけらかんと言いました。
「無視していいよ、おばあちゃん。父さんも母さんも僕がおばあちゃんの家にいることにも気付いていないもんね。僕はここで勉強を頑張る。迷惑をかけるかもしれないけど、いつか恩返しするからね!」
そう。ちょうど息子から手紙が届いた日、孫は置き手紙をして家を出て、祖母である私と一緒に住みたいと言ってくれたのです。もちろん私は即承諾。孫の未来を守るのは祖母である私の役目ですから、当然です。
孫の夢とは?
それからさらに数日。息子夫婦は孫がなかなか帰って来ず、私からの返信が届かないのにしびれを切らしてわが家に怒鳴り込んできました。しかし孫は、「僕をダシにしておばあちゃんにお金をたかり、放蕩三昧。息子の夢すら知らない親とは縁を切っておばあちゃんちの子になる」と宣言したのです。
すると、孫に反撃された息子は「もう好きにしろ!」と捨てゼリフを残して帰っていきました。
こうして、邪魔者がいなくなったことで孫の勉強ははかどり、志望校に無事合格。数年後には念願の発展途上国で教師になることが決まりました。
絶縁を宣言されても孫にたかりにいくつもりでいたらしい息子夫婦は、あれよあれよと言う間に海外に飛び立った孫を追いかけていく資金もなかった様子。すぐにはやめられなかった豪勢な暮らしで借金を作り、今では返済のため仕事を掛け持ちしているようです。
一方の孫は、「僕の夢を守ってくれてありがとう。借りた学費は少しずつ返すから」と真面目です。私には、一時帰国のたびに元気な顔を見せてくれるだけで十分なのですが、真摯な孫の誠意をむげにはしたくありません。
「一生懸命頑張りなさい」と伝えつつ、陰ながら支えていくつもりです。
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孫がしっかりしたすてきな青年に育ってくれて本当によかったですね。親を反面教師にして努力し、夢をかなえた頑張り屋さんでもあります。祖母としても、それが何よりうれしいのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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