2011年3月11日……忘れもしない、東日本大震災が起こった日です。そのとき私は都内に住んでおり、妊娠7カ月でした。当時の体験談をお話しします。
震度5強の地震
妊娠7カ月で、おなかも大きくなってきたころでした。自宅でのんびり過ごしていると、突然地震が。そしてその揺れはなかなかおさまらず、それどころかどんどん大きくなって揺れ続けます。思わず悲鳴をあげて、机の下に隠れたのを覚えています。
数分経ったあと揺れがおさまり、お隣さんが「大丈夫?」と訪ねてきてくれました。当時お隣さんも妊婦さんで、とても心強かったです。
夫が帰ってこない…
その後テレビをつけると、東北地方の悲惨な状況が目に飛び込んできました。さらに、原発の問題まで浮上。私の親は福島県に住んでいたのでとても心配になったのですが、電話がまったくつながりませんでした。
実家の両親とは近くの公衆電話を使って、夜中の11時ごろに話すことができ、無事が確認できました。夫は帰宅難民となってしまい夜になってもなかなか帰ってこず、帰って来られたのは結局深夜0時ごろでした。
スーパーが空っぽに…
翌日、近くのスーパでは食品やティッシュなどを買い溜めしようとする人で溢れており、レジも長蛇の列。陳列棚はほぼ空っぽの状態。コンビニも同様でした。妊婦の私はその中に並ぶ気力もなく、買い物は諦め、自宅にある食材でなんとかやり過ごしていました。
友人が「もし本当になかったらうちのお米あげるよ!」と連絡をくれたりして、心強かったのを覚えています。
里帰り出産をどうするか?
実家が福島県で、里帰り出産予定だった私。しかしその後震災の影響で、里帰りできるのか? するべきか?という問題にも直面しました。ギリギリまで悩んだ結果、私の実家は太平洋側からは遠く危険性は少ないこと、初めての出産なので両親にいてもらったほうが安心だということで、里帰りすることに決めました。
自然災害が起こると、赤ちゃん連れや妊婦さんは本当に困ります。防災グッズや食品のストックを揃えておくのはもちろんのこと、家族で「緊急時はどうするか」定期的に話しあっておいたほうがいいなと感じました。
現在では、水を使ったり温めたりしなくてもよい日持ちする缶詰やレトルト食品を家族5人分は常備しておいたり、子どもの着替えやおむつを最低限の枚数でリュック内にまとめておいたり、車のガソリンはこまめに入れて満タンにしておいたりと、できる限りの対策を心がけています。
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監修/助産師 松田玲子