幼なじみとの再会
「あとちょっとか……」
あと6時間ほどで10代が終わり、20歳の誕生日を迎えようとしていました。この日は、「20歳の誕生日に顔を見せてほしい」と両親が言うので、久しぶりにひとり暮らしの家から実家へと向かっていました。
彼女いない歴=年齢の僕は、今年も彼女はおらず、1人で誕生日を迎えることになるのか……と思いながら駅から実家へと帰っていたのですが……。
実家の前に差し掛かると、見慣れない女の子が家の前に立っていました。不思議に思って近づいて見ると、なんと幼なじみのA子がいたのです。
「やっほ~」
彼女は実家の隣に住む2つ年上の幼なじみ。幼いころ人見知りで泣き虫だった僕をいつも気にかけてくれていたA子。いじめられていた僕を助けては、「君のことは私が守ってあげるからね」と言ってくれました。
僕は高校を卒業すると同時にひとり暮らしをはじめたので、A子とは実家に帰ってくるときに顔を合わせる程度でした。久しぶりに見る彼女は笑顔で
「明日、誕生日でしょ? どうせ1人で寂しいと思って、お祝いに来てあげたのよ!」
と少し強引な言い方をしました。でも、その気持ちがうれしくて、断る理由もなく、僕の部屋に招き入れました。
ただの幼なじみじゃいられない
スムージーで乾杯しながら、久しぶりの会話に笑い合う僕たち。「幼いイメージがあったけど、もう20歳かあ…」とA子がほほえむその姿に、僕はドキッとしてしまいました。
子どものころから知っている幼なじみだけど、こんなに大人っぽかっただろうか……。僕はA子のふとした仕草に、つい目が離せなくなっていました。
そんなとき「10代でやり残したこと、ある?」と聞かれた僕は、「…キス、してみたかったんだよね」とつい本音をこぼしてしまったのです。
冗談のつもりだったのに、僕の言葉を聞いたA子は真顔で僕を見つめてきました。そして突然、僕の顔にぐっと近づき……鼻先に軽くキス。
「…まだまだ子どもな君には、これくらいでちょうどいいかな?」
からかわれたことに、恥ずかしさと悔しさで顔が真っ赤になりました。
嫉妬と誤解。そして伝えられた気持ち
そんなとき、僕のスマホに「B」から着信が。僕が電話を取って彼女と話していると、それを見たA子の表情が曇ります。
「女の子からの電話?…ふーん」
そのままA子は「帰る」と言い出して、飛び出してしまいました。A子を慌てて追いかけて事情を説明しようとすると……。
偶然にも道の向こうから、その「B」が登場。
「先輩! アドバイスありがとうございました! おかげで告白できました」。僕はBが好意を寄せていた男性と知り合いで、Bからの恋愛相談に乗っていて連絡を取り合っていたのです。彼女は、恋愛がうまくいったと報告しに来てくれたようでした。
真相を知ったA子は、少し安心したような、そしてどこか照れた表情をしていました。「ごめん」と謝るA子に「僕もごめん。実は少しでもA子が嫉妬してくれないかと思って…わざとやさしい声で電話に出たんだ」と伝えました。
驚くA子に「ずっと好きです」と言うと、「私も」と返してくれました。
幼なじみから、特別な存在へ
想いが伝わった僕は、ずっと気になっていたことをA子に聞いてみることに。
「A子って、キス…したことあるの?」
「…ないよ。私も君が初めて」
そう言ってほほえむ彼女の顔と僕の顔が重なりました。こうして僕は20歳の誕生日に最愛の人とキスをすることができたのです。
その後、実家に帰ったときのこと。母から「そういえばA子ちゃんと婚約したんだって?」と聞かれて、「え!? 婚約っていうか…なんで知ってるの!?」と返答すると、「A子ちゃんが教えてくれたのよ。『ようやく夢が叶いました』って。小さいころから“あなたのお嫁さんになる”って言ってたもんね〜」との言葉が。どうやら、僕たちは家族ぐるみで応援されていたようです。
これからも僕たちは2人の絆を深めていきたいと思っています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されてないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!