悪い予感が的中…!
突然、私たちの部署に異動してきた女性社員A子。派手な洋服に真っ赤なマニキュア、香水のにおいをプンプンさせています。彼女については「部長のコネ入社」「部長の浮気相手」というウワサもあり、私たちの胸にはイヤな予感が広がっていきました。
初日からハイテンションのまま騒がしく自己紹介し、私たちはフリーズ。おまけに、正社員だというのに仕事はできず、雑用も重要なタスクも他人に丸投げします。それでいて私たち派遣社員に対しては、平然と差別発言を放つ始末。
あまりの横暴さにやんわり態度を正してもらえるように伝えると、「あんた、派遣なのに社員に口答え?」と逆ギレ。
私は耳を疑いました……。周囲も逆らえず、私と仲良しの派遣のB美はターゲットにされ、理不尽な要求や嫌がらせに日々耐えることとなったのです。
株主総会で?
その後もA子は仕事をまったく覚えようとせず、他人に押しつけてきます。無理な要求を断れば、「派遣が仕事を選ぶなんて。部長に言いつける!」と脅しまで。他の社員も同情はしつつ、「部長のコネ」におびえて逆らえない状況でした。
私はこのことを父に相談。「そんな社員を野放しにしていたら会社はつぶれる。お前は自分のすべきことを誠実にしなさい」と言う父に、ちょっと救われた気がしました。
そんなある日。突然、株主総会が開かれることになり、古参の派遣である私とB美、そして「お金持ちと知り合いたい♪」と自ら名乗り出たA子が出席することに。準備に追われる私たちを横目に、A子は会社を早退してエステに出かけていきました。
こうして総会当日……。参加者が経営や社内環境の改善についてさまざまな意見を述べる中、A子は「ネイル直しのため、社内にサロンがほしいです」などと場違いな提案を連発しました。
仕方なく私がフォローしようとすると、「派遣はしゃべるな、一切黙れ! 帰りなさいよ」とA子が全員の前で暴言。あっけにとられたそのとき、次々に株主たちが席を立ったのです。
「派遣が邪魔? それなら私たちも帰らせてもらうよ」
立場は無関係
実はこの株主さんたちは全員、リタイア後に「派遣」で働く現場経験者だったのです。その中でも中心的な存在を担っていたのが私の父。父は、とある企業の経営で成功を収めた後、早期退職を果たし、私が勤める会社の株主になっていたのです。
「いくら娘の勤め先だからといって、派遣を見下す社員がいる職場に投資などできるか!」と父が言い放ったとき、私たちの関係を知ったA子はギョッとした様子でした。
私は、冷静に返しました。「こちらはたしかに私の父ですが、株主であっても正社員であっても派遣であっても、関係ありません。仕事への向き合い方、誠実な働き方が大事だと思います」と告げると、A子は顔を真っ赤にして会議室を飛び出していきました。
その後、プライドが許さなかったのか、A子は自主退職。部長とは本当に浮気相手だったようで、部長も信頼を失い、すっかり窓際族に。一方、私たちの職場は前のように全員が気持ち良く働ける環境に戻りました。社員も派遣も一緒に頑張る仲間として、毎日仕事にまい進しています。
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派遣だからといって見下される筋合いはないし、正社員だからといって偉いわけでもありません。大株主の娘でも、誠実に仕事をする彼女のように振る舞いたいですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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